宮沢章夫さんの『東京大学「80年代地下文化論」講義 (白夜ライブラリー002)』、単行本が2006年、文庫本2008年に出ているので、きっと話題になったのはだいぶ前のことなのでしょうが、つい最近入手し先日読み終えました。80年代のカルチャー的なことに触れながら東京大学の表象文化論分科でおこなわれた講義をまとめたものなので、自分自身の体験と重なる部分がかなり多く、心の中で相槌など打ちながら。

この本の中で頻繁に出てくる中で、一番自分の体験としてかぶり、そして思い出に残るのは、やはり桑原茂一さんが1982年から84年までたずさわっていたクラブ「ピテカントロプスエレクトス(通称ピテカン)」でしょうか。高校入ったばかりぐらいだったので、実際に行っていたのは、ピテカン後期。ティーンエイジャー対象、ノーアルコール・ライブ枠の「サンデー・アフタヌーン・ピクニック」というもの。

思い出に残るライブはいろいろある中、急にまた聴きたくなってしまったのがパリス(Paris)というトリオ。YouTubeなどでも探してみたのですが、やっぱりないですね。幸い"Paris, Je T'aime" (1985年) という自主制作版だったレコードを所有しているので環境さえ整えば、また聴くことができますが、そのためにはあと一ヶ月ぐらい必要そう。レコードA面『パッション』という曲はオリジナル、B面はパリス風味を加えたカヴァー3曲。きょうは、もと曲を聴いてみることに(こちらも必ずしもオリジナルではないものも)。

Istanbul(イスタンブール):



『Istanbul(not Constantinople)』、オリジナルはザ・フォー・ラッズ(The Four Lads)作詞:Jimmy Kennedy、作曲:Nat Simon。けっこういろんな方がカヴァーしていたりするようですね。ちょっと『"Puttin' on the Ritz』にも似てたりします。


このあと、パリスのヴァージョン、おこしました:)



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Quizas quizas quizas:キサス・キサス・キサス



いろいろな方のヴァージョンがありますが、トリオ・ロス・パンチョス(Trio Los Panchos)。オリジナルのスペイン語ヴァージョンはキューバの作詞、作曲ともに Osvaldo Farrés、英語ヴァージョンはJoe Davisですが、訳ではないようですね。英語でのタイトルは『Perhaps, perhaps, perhaps』。

夢からさめて(You Stepped Out Of A Dream):



こちらはナット・キング・コール(Nat King Cole)のヴァージョン。作曲Nacio Herb Brown、作詞Gus Kahnの1940年代のものですが、パリスのヴァージョンはだいぶちがってました。近そうなものは見つからなかったのですが、いい感じのアレンジだったんですよね。

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こちらにも書きましたが、当時、自主制作盤で、どうやら、印刷ちがいかなにか…カヴァーの元曲『夢からさめて(You Stepped Out Of A Dream)』ではないのです。
ほんとは、『Chinatown My Chinatown』がもとな、別曲。
そんないきさつは、こちらに書きました。
Chinatown My Chinatown あなたの為に


Chinatown My Chinatown あなたの為に





パリスのメンバー:
原節子(ボーカル、アコーディオン)
浜田比佐志(サックス)
ラファエル・セバーグ(ボーカル、コーラスなど)

パリス、水族館レーベルの『陽気な若き博物館員たち(紙ジャケット仕様)』にも『 L’AMOUR CONJUGAL』と『RENCONTRE』、2曲参加しています。

[東京大学「80年代地下文化論」講義:ピテカン]
全部にわたり「そうそう!」っていう部分なども多いのですが、感じがわかるだけに中には、見方が少し違う面もありました。宮本氏は、かなり先輩な方なので、わたしは中学、高校生あたりでしたから当然といえば当然かと。

ピテカンに関しては、ほんと宮本氏がおっしゃるとおり、ほんと、かっこいい!につきます。そして、とってもすごいことでした。岡崎京子さんの「東京ガールズ・ガールズ・ブラボーも話題でしたね。ピテカンの名前がでてくるページなど、この本にもとりあげられていました。ただ、実際はどうでしょう、夜枠にはそういう子たちもまぎれてたりしたのかもしれませんが、ほかのカフェバーにはいけたわたしもピテカンの夜にはいけませんでしたね。そんなティーンエイジャーにも機会を与えてくれていたのが「サンデー・アフタヌーン・ピクニック」でしたが、これまた大人にはわかりにくいのですが、ファッションや音楽、同じように夜はカフェバーに、みたいな子が多いのですが、意外とまじめ(何をもって真面目かというのはひとそれぞれですけどね)。ことば使いなんかもちょっと落ち着いてたりして。宝島とか読んでるんだけど、宝島少女とはまたちがってたような。でも、まぁ、そういう子もいたのかな。

「サンデー・アフタヌーン・ピクニック」ではないのですが、高校生でもいけるかなって感じなのに「あ~、なんで行かなかったんだろう」と時折思い出してしまうのが、このパリスのラファエル・セバーグさんのフランス語講座というもの。オリーブに告知されてたんですよね。なんで行かなかったのでしょうか。告知は、「オリーブ」誌上でした。

先日、そんなこと思ってたら、偶然Blip.fmで『Istanbul』がBlip。


(投稿:日本 2010年2月27日、ハワイ 2月26日)


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