今夜も気になることを調べていたら、またしても、ちょっとした大調査になってしまいましたw。
以前に取り上げたバンド、Parisは、80年代半ばぐらいにピテカン(クラブ「ピテカントロプスエレクトス」)や六本木にあったころのInk Stickでライブも行っていたバンドで、ラファエル・セバーグさんなんかもいたバンドなのですが、自主制作版としてつくられたアルバム『Paris, Je T'aime』(1985年) 、アナログが聴ける環境になりました。もう一度聴きたいと思っていた曲『夢からさめて(You Stepped Out Of A Dream)』もようやく。
『夢からさめて(You Stepped Out Of A Dream)』:
Parisのアルバム『Paris, Je T'aime』B面3曲め、ラストのナンバー
この曲、以前調べたときにちょっと不明な点があったのですが、YouTubeのチャンネルに登録いただいた方からのコメントでいろんなことがわかってきました。(コメントをいただいたchinclockさんはすてきで貴重な日本のジャズのナンバーを紹介されている方です)
この曲、1910年にWilliam Jerome (作詞) and Jean Schwartz (作曲)によって書かれたジャズのナンバー『Chinatown My Chinatown』がオリジナルだったのですね。
レーベルには「夢からさめて(You Stepped Out Of A Dream)作曲Nacio Herb Brown、作詞Gus Kahn 編曲パリス&工藤冬里」とあり、まだアナログ環境が整っていないときにその線で調べて、どうも違うなぁと思っていたのです(これは以前のブログにも「だいぶちがってました」と書いていたり)。自主制作版だったので、きっと突然の収録変更か何かのミスだったのかも知れません。ライブでも演奏していた曲なのですが、かなりにぎやかな中で聴いていたので、解説などは覚えてなく、何年も経ての謎解きでした。
あらためて『Chinatown My Chinatown』を聴いてみましたが、こちらはこちらで知っていたような気もするのですが、まだまだ勉強不足ですね。
では、日本語の歌詞、古いもののようだけど、どこから来たのかしら?とだいぶ前に購入したのに、まさにこれから読もうと思っていた瀬川昌久さんと大谷能生さんによる『日本ジャズの誕生』で調べてみたところ、どうやらそれらしい情報がありました!
まだ聴いていないので確実ではないのですが、歌詞の内容からしても、多分、中野忠晴とコロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズによる『あなたの為に(Chinatown My Chinatown)』が日本語版の元ではないかと思うのです。こちらは、YouTubeなどではみつかりませんでしたが、CD『日本のジャズ・ソング3』(BRIDGE071※本には「070」とあったので、これまた苦戦しましたもののなんとか判明)に収録されているようですので、今度聴いてみたいなぁと。
これはよい機会と思い、いろいろなヴァージョンを聴いてみました。すてきなものやユニークなものがたくさんです。
The Mills Brothersヴァージョン:
オリジナルのシート・ミュージックをはじめ、古めの画像もある楽しい動画です(チャイニーズ・ステレオタイプなどの風刺ものあり)
Max Fleischerによる『Screen Song Cartoon』パラマウントのアニメーション。1929年の楽しい作品
Your Hit Parade: Chinatown, My Chinatown:
アメリカン・タバコ社ラッキー・ストライク提供で1935年から1955年まで放送されていた米テレビ番組『Your Hit Parade』より。ダンスがとってもすてきです。
アルバム『Tea Pad Songs』収録の Slim and SlamによるChinatown my Chinatown:
なんちゃって(古い言い回しですかね)中国語が入ったステレオタイプありつつ楽しい作品
Red Nichols & His Five Penniesによるインストゥルメンタル・ヴァージョン。楽しく軽やかなアレンジ。クラリネットはBenny Goodman。
Chet Atkinsによるギター・ヴァージョン。チャイミングなどの奏法も織り交ぜた演奏、すごくいいですね。
Bing Crosbyヴァージョン。まさにドリーミー・チャイナタウンな感じです。
他にもたくさんありここには紹介しきれないので、『Chinatown My Chinatown』再生リストも作ってみました(これから増えると思いますが、まずは十数曲)。
(投稿:日本 2010年6月5日、ハワイ 6月4日)
にほんブログ村
にほんブログ村
0 コメント
コメントを投稿