日本に帰ってきてから、特になのですが、やっぱり富士山ってすごい存在だなぁと思います。日本人にとって、特別なものであることはもちろんですが、海外でも「日本について知ってるものはなんですか?」という質問をしたら、答えの中には「FUJIYAMA」というのがあるはず。

海外でも知られる富士山の曲といえば、『FUJIYAMA MAMA』。もともとアメリカの曲ではありますが、日本でも「富士山」逆輸入でカヴァーされています。このところ、いろいろな方のバージョンを聴いてみたりしていたのですが、カヴァーの歌詞にいろんなヴァージョンがあったり、オリジナルの歌詞自体にも興味をもったので、英語でのものとともに、日本でのカヴァーをちょっと集めてみることにしました。

まずは、英語のものから。アメリカ、そして日本でも大ヒットとなった、多分一番ポピュラーだと思われるロカビリーなワンダ・ジャクソン(Wanda Jackson)のもの。この動画はベティ(Betty Boop)がとってもかわいくてセクシーで、先日みつけて大好きになっちゃいました。
Wanda Jackson - Fujiyama Mama(Animation: Betty Boop)(1957年)



オリジナルは、アニスティーン・アレン(Annisteen Allen)。アレンジがアジアを感じさせますよね(ちょっとチャイナっぽいような気も)。こちらもアメリカでは大ヒット。
Annisteen Allen - Fujiyama Mama(1954年/ 1955年)



『FUJIYAMA MAMA』、ちょっとはじけた魅力的をもつ女性が自分のことを歌っているものですが、あらためて聞くと、歌詞の内容ちょっとすごいです。作詞、作曲ともにアール・バローズ(Earl Burrows)。

 I've been to Nagasaki Hiroshima too
 The same I did to them baby I can do to you
 Cause I'm a Fujiyama mama and I'm just about to blow my top
 Fujiyama-yama Fujiyama
 And when I start erupting ain't nobody gonna make me stop

 I drink a quart of Sake smoke dynamite
 I chase it with tobaccy and then shoot out the light
 Cause I'm a Fujiyama mama

 Well you can talk about me say that I'm mean
 I'll blow your head off baby with nitroglycerine
 Cause I'm a Fujiyama mama...

 Well you can say I'm crazy stone deaf and dumb
 But I can cause destruction just like the atom bomb
 Cause I'm a Fujiyama mama
 I drink a quart of Sake

終戦から10年ちょっとで、これを受け入れられた日本もすごいというか寛容というか。もっとも日本でのカヴァー、日本語の歌詞の内容は少しかえられてますけれど。

細野晴臣 - フジヤマ・ママ/FUJIYAMA MAMA(1978年)



わたしが、初めて聴いた『DUJIYAMA MAMA』は、細野晴臣さんの名アルバム『はらいそ』(1978年)に収録されているカヴァー。こちらは、ほとんど英語なのですが、「I」が「You」にかえられており、「FUJIYAMA MAMA」に向けて歌っているという設定。「フジヤマ・ママ」が歌う部分は日本語。このころの細野さんの感じ、いまでもやっぱり大好きです。

 あたしゃ名物、フジヤマ・ママ
 雪より白い素肌に秘めた熱いマグマ
 思い込んだらフジヤマ、ヤマ、フジヤマ
 火山のようにバンと火を噴く燃える~
 フワフワフワ ♪

沢たまき - フジヤマ・ママ(1958年 C/W「ロッカチッカ」テイチク)



沢たまきさんも歌ってらっしゃったんですね(演奏はバッキー白片とアロハ・ハワイアンズなのかな)。こちらの歌詞は横浜が舞台、内容はけっこう異なります。訳詞というか作詞はどなたなのかちょっとわからないのですが、このヴァージョンの詞もなかなかすてき。おなじみのフレーズは「フジヤマ、ヤマ、フジヤマ~♪」ではなく「フジヤマ・ママ、フジヤマ~♪」です。後半の英語の歌詞はオリジナルのままです。

 横浜港の街角で
 初めて出会った、あの時、あの人
 フジヤマ・ママだよ
 忘れちゃいやよ 
 フジヤマ・ママ、フジヤマ
 思い出したら
 ちょいとお話しましょう

雪村いづみさんも歌ってらっしゃるようなのですが、こちらで聴けるものが残念ながら。CDは発売されてます。細野さんヴァージョンの日本語詞はこちらがベースとなってるようです。英語はオリジナル同様、日本語詞も「サケ」や「ナガサキ、ヒロシマ」は出てきませんが、オリジナルと内容に近いですね。 訳詞は井田誠一さん。
雪村いづみ - フジヤマ・ママ(1958年 ビクター)


(当時のEPジャケットとは異なります)

 あたしゃ名物、フジヤマ・ママ
 雪より白い素肌に秘めた情熱のダイナマイト
 思い込んだらヒヤッ、
 火山のようにバンと火を噴く燃えるロック

 一度火がつきゃ誰がなんと言って
 止めようが歌って踊ってわめいて暴れて
 手がつけられないヒヤッ、フジヤマ、ヤマ、フジヤマ
 雲の上まで上がる炎だ恋だオールライト~♪


最近ではぺティブーカさんというデュオがカヴァーされてるんですね(最近でもないですか)。
Petty Booka - Fujiyama Mama (1998年)



[富士山]
Twitterでも富士山に関するTweetの多い少ないで天気がわかるというほど(関東地方が中心ではありますが)、富士山は日本人にとって特別な存在ですよね。江戸のころの北斎の浮世絵もですが、ずっとずっと昔から、絵画や歌の題材となり、信仰の対象でもありました。海外でも、その美しさは知られ、日本観光の人気スポット(富士山そのものというより富士が美しく見える場所でしょうか)。「富士山」、日本では「ふじさん」と読む方が比較的多いのではないかと思うのですが、海外では「フジヤマ」という呼び方が一般的ですね。「FUJIYAMA」は、いまでもとってもエキゾチックな存在。

(投稿:日本 2010年2月13日、ハワイ 2月12日)


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