晩秋から初冬へと、ひんやりした空気には、ジャズなギターの音ってとてもあうなぁと、きょうこの頃。そして、また、その雰囲気になぜだかあうのが、ビートルズのカヴァーだったりします。

先日のウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)関連からは『A Day In The Life』もそうですけど 、CTI、同じくドン・セベスキー(Don Sebesky)のアレンジである、ジョージ・ベンソン(George Benson)の『The Other Side Of Abbey Road』(1969年)が。

参加ミュージシャンがハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)だったりするのも共通していますが、こちらは、インストゥルメンタルではなく、自身によるボーカル入りで。

ジョージ・ベンソン、ギターだけどなくボーカルもすばらしい方。本格的評価を受けたのは『Breezin』(1976年)からだそうですが、この作品での歌唱もとてもよいですね。

リリース年を確認で。オリジナルであるザ・ビートルズの『Abbey Road』のすぐあと、半年もおかない、数ヶ月後。『The Other Side Of Abbey Road』というタイトルの絶妙なセンスを感じます。ジャケットもいかにもではないけれど、横断してたり。

このさりげなさもCTI調ということなのでしょうか。そこがいかにもでもあり、でも、絶対的にスタイリッシュでかっこよく、かつ、心地よい、なのですよね(さりげないといいながらいかにもとは矛盾ですが、そんなテイストですよね)。あらためてであり。いまの気分な一枚です。

1. Golden Slumbers/You Never Give Me Your Money
2. Because/Come Together
3. Oh! Darling
4. Here Comes The Sun/I Want You (She's So Heavy)
5. Something/Octopus's Garden/The End

George Benson - Oh Darling

George Benson - Here Comes the Sun & I Want You (She's so heavy)

George Benson - Something

<サウンドと奏法>

ジョージ・ベンソンのギターの音、どこかウェス・モンゴメリーの音、このアルバムは CTI的ということで、傾向なども共通するものがあるのですが、ジョージ・ベンソンのさらにもうすこし後の作品などでも、そのサウンドに何か通ずるものがあるとは思ってたのですが…奏法の特徴などは、ウェス・モンゴメリーの系譜を受け継ぐオクターヴ奏法なのですね。さらに、オクターヴ+五度奏法というものへと発展させたのだとか、メモメモな感じです ((φ(..。)

(投稿:日本 2012年11月29日、ハワイ 11月28日)


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意識下に刻まれたサウンド、あれはそうだったのか、という今更ながらの気づき。まだまだありました。
先日は、日テレ深夜再放送ドラマ枠『ナイトスクリーン』の音楽=バーバラ・ムーアの 『Sweet Thing』というやっとの気づきがありましたが、さらにありました。
またもや再放送枠。上質ミュージックとの出会い。

ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)の『Fly Me To The Moon』、TBS午後の再放送枠での「この番組は○○の提供でおおくりいたします(○○=三井物産食品グループ)」というバックで流れていた曲ではないですか。数十年経てようやく。ほかの作品は聴いてたのに…(「三井奥さま劇場」の曲、年代などで、意見わかれているようですが、学校と塾のあいだの時間、おやつ食べながら、時代劇やドラマ再放送を祖父といっしょに視聴していた、70年代後半あたりではないかと思うのです…そのことに関してはページ末で再び)

Wes Montgomery - Fly Me To The Moon
使用されていた部分ははじめのフルートからホーンへとつながり、ギターが出てくる30秒ぐらいのホーンの部分ではあったと思うのです。

ウェス・モンゴメリー、A&M傘下CTIレコードでの三部作、遺作となってしまったアルバム『Road Song』(1968年)に収録。

ウェス・モンゴメリーのCTIでの作品、やっぱりよいですね。
『A Day in the Life』(1967年)は作業しながら聴ける一枚としてお気に入りだったりするのですけど、『Down Here on the Ground』(1968年)もふくめ、最晩年の作品となってしまった3枚ぜんぶ揃えたいなぁと。

イージーリスニングでもあり、ジャズでもあり。その後のクロスオーバー、フュージョン・サウンド、1970年代のひとつの流れへの導きともなるようなサウンド(CTI自体がそういう傾向ですが)、あらためて、これが1960年代の作品であるというのも、当時の感覚からするととても新しいものであっただろうと。カヴァーもありながらオリジナルなサウンド、それでありながら、奇をてらった感がないところも、ウェスの、そして、このレーベルの指向のすごさかなぁと思います。

ということで、気づきついでにアルバムのデータをいくつかの曲とともに。

アルバム『A Day in the Life』:
1967 年リリース
Billboard ジャズ・チャート 1位、Billboard R&B チャート 2位
ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)ほか参加。アレンジ:ドン・セベスキー(Don Sebesky)
1. A Day In The Life/2. Watch What Happens/3. When A Man Loves A Woman/4. California Nights/5. Angel/6. Eleanor Rigby/7. Willow Weep For Me/8. Windy/9. Trust In Me/10. The Joker

Eleanor Rigby(Original: The Beatles)

アルバム『Down Here on the Ground』:
1968 年リリース
Billboard ジャズ・チャート 1位、Billboard R&B チャート 4位
ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)ほか参加。アレンジ:ドン・セベスキー(Don Sebesky)
1. Wind Song/2. Georgia on My Mind/3. Other Man's Grass Is Always Greener/4. Down Here on the Ground/5. Up and at It/6. Goin' on to Detroit/7. I Say a Little Prayer for You/8. When I Look in Your Eyes/9. Know It All (Quem Diz Que Sabe)/10. Fox

I Say a Little Prayer for You(Written by: Bacharach and Hal David)

アルバム『Road Song』:
1968 年リリース
Billboard ジャズ・チャート 1位、Billboard R&B チャート 4位
ハービー・ハンコック(ピアノ)ほか参加。アレンジ:ドン・セベスキー(Don Sebesky)
1. Road Song/2. Greensleeves/3. Fly Me To The Moon/4. Yesterday/5. I'll Be Back/6. Scarborough Fair (Canticle)/7. Green Leaves Of Summer/8. Serene/9. Where Have All the Flowers Gone?

Greensleeves(Traditional)

====================

<三井奥さま劇場の曲に関するいろいろ>

こちらのサイトで意見、記憶探求いろいろ交換かわされています。
私的 昭和テレビ大全集 奥さま劇場

わたしも、ちょっとこのご意見も思い当たるようなないような、で、検証というか…

『ソロモンの夢』も何かに使われていた気がします。1:00あたりの響きにはとてもなじみあり。でも、レーモン・ルフェーブル・グランドオーケストラだとしてもこのヴァージョンではなかったような気がして…スキャットもなかったような。

ジム・クロウチの『Lovers Cross』。はい、たしかにこれはあったと思います。同じ枠かどうかは記憶さだかではありませんが。Wikipedia:奥さま劇場にも情報がありますね。ただ、これエンディングというか「提供で…」のむすびの感じがいまでも耳に残っているのですが、ヴァージョンがちがうような気もして。でも、カヴァー・ヴァージョンとかざっとさがした感じではほかにみつからないです(メラニーのカヴァーはちがいそうですもんね)。このオリジナルだったのかなぁ…

やっぱり一番なじみがあるのは、ウェス・モンゴメリーの『Fly Me To The Moon』のようです。

(投稿:日本 2012年11月26日、ハワイ 11月25日)


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前々からなんとなく気になってはいたのですけどね、というお題、やっぱりもっと知りたいよぉと再燃。早速資料として、邱淑婷著『香港・日本映画交流史―アジア映画ネットワークのツールを探る』を調達です。

きっかけは、先日、馬場正道さんDJでのTiki Radioでの『チャイニーズ7インチ』テーマからでした。

その中の一曲がこちら。

我是個鼓手(電影青春鼓王主題曲1967年)-凌雲(リン・ユン)

この曲、映画『青春鼓王(Qing chun gu wang ) King drummer 』での主題歌、挿入歌なのですが、そこでの気づき。『青春鼓王 』って、『嵐を呼ぶ男』の香港版ですね。この映画、かなり人気となったようで、いまでも「青春鼓王」というフレーズはたとえの表現としてもよく使われてるみたいで、「太鼓の達人」とかの動画にもタイトルなどにも使われてたり、です。

この曲も、ざっと調べたかぎりでも、3つのヴァージョンがみつかりました。広東語とかわからないので、漢字や英語で書いてある説明からのからのたぐりではありあますが、動画にあった解説コメントやそのほかの情報あつめてみました。

青山 -《青春鼓王》
1969年、アルバム『船』より

謝雷 - 青春鼓王
アルバム『青春鼓王/夕陽』収録だそうです。

映画はこちら。

青春鼓王 (1967)

映画の公開は、1967年11月16日。制作は香港なのですが、さきにも述べましたように、『嵐を呼ぶ男』からのリメイクで、井上梅次さんが監督。そして、この主題歌の作曲は、あの服部良一さんなのですね。作詞は、蕭篁。

これから読もうと思っている『香港・日本映画交流史―アジア映画ネットワークのツールを探る』は、井上梅次監督のことはもちろん、服部良一さんと香港映画という項目などもあり、アプローチとしては、かなりアカデミックですが、興味深いトピックばかり。

『嵐を呼ぶ男』のほか、日活作品では、『青春ア・ゴーゴー』リメイクの『青春阿哥哥』なども…

日本と香港の映画交流、井上梅次監督とショウブラザーズの関係から生まれた作品、また、東宝では、電懋との合作という路線で千葉泰樹監督での宝田明と尤敏の「香港」シリーズなどがあったり。県洋二振り付けでの電懋ミュージカルなども。香港映画においての日本の影響の大きさは思っていた以上なのですね。日本サイドでは同時期に、黄金期をすぎた経営のみなおしと、テレビの進出、なんとか海外へ活路をみいだそうという方針もあったよう。そんな中、井上監督以外にも招かれた日本人監督はほかにもいたわけですが、香港作品を撮るということでの心理、技術のちがい、土壌のちがいなどもいろいろあったようで。また、それ以前、さかのぼって戦前のことなども書かれているようなので、読みすすめるのが楽しみです。

(投稿:日本 2012年11月23日、ハワイ 11月22日)


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ささっとではありますが、バーバラ・ムーア(Barbara Moore)の1970年代初期ワークをつづけてみて、インタビュー・ビデオにも興味深いお話があったので、それ以前のワークや参加プロジェクトなどについてすこし。

父がアーサー・バークビー(Arthur Birkby)ジャズマンであったこともあり、いつも音楽に囲まれ、こどものころから優れた才能をもっていたバーバラは、高校でもクラシック音楽を学び、卒業後には、ザ・レイディーバーズ(The Ladybirds)というボーカル・グループで活動をはじめたそう。The Ladybirdsは、イギリスBBCのポップス番組で"Top Of The Pops"で人気ミュージシャンのバック・コーラスをしたり、継続出演していたグループ。サンディ・ショウ(Sandii Shaw)やジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)とも共演し、サンディには、ユーロヴィジョンへもコーラスとしてお供したとのこと。

このレコーディング時にバーバラが所属していたかははっきりわかりませんが、レコーディングされてるものとしては、これなんかもそうでしょうか。EMIだし。この曲のコーラスである"The Ladybirds"はその"The Ladybirds"かと。

Dany Chandelle with The Ladybirds - LYING AWAKE (1965) 編曲・指揮:マーク・ワーツ(Mark Wirtz) ウォール・オブ・サウンド的な感じを意識したものだとか

もともと音楽の土台はクラシックとジャズですでにしっかりあったうえ、若い感覚と、このようなコーラスでのボーカル・ワークでいろんなスタイルも吸収していっていたのでしょうね。

ある日、作曲家リストでバーバラのプロフィールをみた制作サイドから、「アレンジできるんだよね。やってみる?」と声がかかり、初めてアレンジをすることに(制作側も若くてフレッシュなテイストを取り入れてみたかったのかもですね。リストの下の無名な作曲家、女性を選んでみるという冒険に)。
ディーナ・ウェブスターという女性ボーカリストのアルバム『TUESDAY’S CHILD』での『スカボロー・フェア(Scarborough Fair)』。バーバラは、この曲をチェンバロをきかせて、ちょっとサイケデリックロックの雰囲気も取り入れたアレンジで仕上げてみることに。

Deena Webster - 'Scarborough Fair' (1968)

数十年経てもフレッシュな記憶。
1968年、当時、男性主体の音楽制作界。コーラス・ガールだったバーバラは、ふわふわのピンクのミニ・ワンピースにブーツといういでたちでスタジオへ。
きょうのリーダーはどこだい?と尋ねるスタジオ入りしていたミュージシャンたちに、バーバラが自分がアレンジャーであることを告げると、そんな訳ない、とみんなが笑い(この演奏にはバーバラのお父さんも参加していて、唯一笑わなかったそうで)。もうドキドキ、ひやひや、ぶるぶる…
楽譜をわたし、さっと指揮をはじめたとたん、バーバラ自身もミュージシャンたちもそのアレンジとサウンドの波にのり、ドラマチックなサウンドの誕生。それが、バーバラの初仕事の思い出。
このインタビューでは、初仕事のレコーディングでのエピソードをバーバラはいきいきと語ってくれています。

同年には、"Voices in Latin"という名義のボーカル・グループで『Something Cool』リリース。Sergio Mendes & Brasil '66をも感じさせるようなスタイルですね。カヴァーのアレンジもよい感じです。このアルバムには初めての作曲作品『Hide Away』も。

Voices In Latin (Barbara Moore)- Sunshine Superman (1968)

Voices In Latin (Barbara Moore)- Hide Away(1968)

ボーカル・ワークでは、スタン・ブッチャー(Stan Butcher)率いるBirds and Brassでの活躍も自身活動初期から長いですね。キース・ロバーツ(Keith Roberts)むかえての1970年代に入ってからの作品にも参加してますね。

Stan Butcher and his Birds and Brass (w/ Barbara Moore)- Should I (1966)

Birds & Brass - Soul Bossanova(197X)
こちらにもっとたくさんの曲が。Soundsational Sort of Soul / Birds 'N' Brass

バーバラ自身がリーダーとなったボーカル・グループ、"Barbara Moore Singers"もとっても楽しくてかわいくてさわやかな作品ありますね。1960〜1970年代のこども番組などのために用意されたライブラリー音源を集めた『Fuzzy Felt Folk』というアルバムにも数曲収録されてます。こちら、お父様、アーサーとのワークもあるようですね。

The Barbara Moore Singers -The Elf

このアルバム、ほかのアーティストの曲もすばらしく、ちょっと欲しいなぁと思ってます:)

http://www.youtube.com/playlist?list=PL1800CCE1DC218B3E(再生リストありました)

日本でいえばと例えるともどうでしょう、ですが、バーバラさんってなんとなくPICO(樋口康雄さん)と伊集加代子さんとあわせたような感じの方ですね。

このほかにもラジオやテレビの人気番組のオープニング、ジングルなどにまつわるお話や音源いろいろ、バーバラ・ムーアのサイトにあります。ひとまずという感じのまとめでした。

Barbara Moore
http://www.barbaramoore.co.uk

(投稿:日本 2012年11月21日、ハワイ 11月20日)


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先日からのつづきであるバーバラ・ムーア(Barbara Moore)女史への興味からさっそく入手した『Vocal, Shades and Tones』についてです。

こちら、もともとは1972年にイギリスの放送音楽プロダクション"MUSIC DE WOLFE"(ミュージック・デ・ウォルフ)からリリースされた、作曲、ボイス・ワークともにバーバラ・ムーアによる作品。CD化によりいまも比較的入手しやすいアルバム、そういった意味でありがたい、貴重なもののひとつですね。

ここで、ちょっと触れておきたいのが、"MUSIC DE WOLFE"について。デ・ウォルフは、1909年創立の音楽会社ですが、1927年から音源の録音、提供を開始。特徴としては、ライセンスをクリアしたライブラリー音源をあつかっていることで、それらの作品は、映画やラジオ、テレビ、CMなどに多く使われてきています。作品数も80,000 以上ということで、くわしくあげるときりがないのですが…バーバラ・ムーアもそんな作品を提供する作曲家・アレンジャー・シンガーのひとり。
(デ・ウォルフ:http://www.dewolfe.co.uk)、その歴史についてはWikipedia: De Wolfe Music(英語)がくわしいです)

『Vocal, Shades and Tones』もライブラリー音源としてつくられたアルバムで、収録された14曲には、それぞれ、どんなシーンにむいているか、'Feeling'、'Occasion'、'Locarion'などを簡単に表す言葉がついてます。
どのようにレコーディングがおこなわれたかお話、ご本人のインタビューがありまして。
インタビュー(サウンド):
Barbara Moore talking - about Vocal Shades and Tones1onhttp://www.barbaramoore.co.uk/
バーバラ本人含む女性・男性ボーカリスト4名で8声のボイス(二重録音)、初見でささっとプレイしたら次は本番レコーディングできるような職人的スタジオミュージシャンたちと、スタジオ使用可能時間は8時間15分というレコーディングだったのだそうです。

まさにタイトルどおり、さまざまな色調をもった曲達。明るくソフトなものから、スピード感のあるクール・サウンド、おごそかでクラシカルな雰囲気のものまで、シーンが浮かんでくるようです。

どれもすてきなので、動画でみつかったものは再生リストにしてみました(収録リストのあとにあります)。個人的にはこの3曲がとくに好きだったりします。

I'm Feather

Take Off
これ、動画の映像もすばらしいです♫

Fly Paradise
Fly Paradise by Barbara Moore
このインタビュー内4:08からにも(このインタビューも興味深いお話で、これについてもまたまとめします)

1. Hot Heels (Bright, driving movement)
2. It's Gospel (Slow, tropical - sinister overtones)
3. Steam Heat (Exotic, tropical - sinister overtones)
4. Fly Away (Light outdoors movement)
5. His Name Was (Dignified, pure, Classical feeling)
6. Swing Over (Brisk, cheery, carefree)
7. Touch Of Warmth (Gentle bossa, Continental flavor)
8. Voice Force Nine (Exuberant, rhythmic)
9. Very Fine Fellow (Jaunty, easy-going "swingle" style)
10. Shades - Tones (Slow, moody)
11. I'm Feather  (Cool, up-tempo)
12. Drifting (Warm, relaxed)
13. Take Off (Bright outdoor activity)
14. Fly Paradise (Mid-tempo, beaty, carefree)

Barbara Moore
http://www.barbaramoore.co.uk

(投稿:日本 2012年11月18日、ハワイ 11月17日)


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わぁ、これ、好きだったぁ♫ と思い出よみがえりの再会。日テレ(日本テレビ NTV)の深夜の再放送ドラマ枠『ナイトスクリーン』 。エレピとベースのシンプルで心地よい演奏、スキャットの歌声。

『ナイトスクリーン』、よいドラマの再放送が多く、1980年代半ば当時、高校生、がんばって起きてかなり熱心に視聴しておりました。ビデオに録ってまで、かなりはまっていたのは、前にもちょっと書いたことあるのですけど、『青春とはなんだ』、『これが青春だ!』など、まだ自分が生まれる前のモノクロ放送時代の青春ドラマ。つくづくといまのじぶんにつながる思い出テレビ枠。『ナイトスクリーン』自体の思い出つきないのですが…軌道修正で曲のこと。

このオープニング(エンディングも同曲)、心やすらぐうっとりスキャットがなんともいえず大好きで。
思いめぐらせながら、さらに検索してみると、フルトラックのものが!

何度聴いてもすてき、だれのものなのだろう、なんて曲なんだろう、という疑問。数十年ぶりに解決です。

知られているところでは知られているようなのですが、この声、バーバラ・ムーア(Barbara Moore)。曲名は "Sweet Thing"。De Wolfe library から1971年にリリースされたアルバム、"The Roger Webb Sound: Moonshade"に収録されているのですね。

アルバム自体はかなりプレミアとなっていて、入手はすぐにとはいかなそう。あってもプライスもなかなかで。

同年リリース"The Roger Webb Sound: Vocal Pattern"というのもよいですね。

バーバラ・ムーア(Barbara Moore)女史、スキャットをはじめとしたボーカル・ワークにとどまらず、いわゆるライブラリー、イギリスBBCの番組、放送音源、CM音楽などの作曲家、アレンジャーでもある方なのですね。調べていくうちに、知りたいことだらけ、ほしいものだらけになってきてしまいました。

日本でも2000年すぎの頃に話題にもなっているし、3枚CDの企画というのもあったようで…でも、ぜんぜん知らずでした(まぁ、その頃は日本にいませんでしたが)。

とにかく、サウンドもちろんですが、関連ワーク、経歴など、いろんな意味で、現在すいこまれ中。
バーバラ・ムーア女史のサイトでは携わったワークについてのインタビューを聴くこともできるのですね。時間をみつけて、すこしづつチェックしてみたりしてます。
Barbara Moore
http://www.barbaramoore.co.uk

そんな手繰りや気づきとか、まとめていきたいなぁと思っているのですが、アルバムとしては、まずは、1972年にリリースされた『Vocal, Shades and Tones』の再発CDから入手することに。

バーバラ女史のこと、まだもうすこしまとめたいので、つづく、です。

Barbara Moore - Take Off

(投稿:日本 2012年11月14日、ハワイ 11月13日)


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ジャズで、クラシックという1枚、この秋入手でかなり気に入っているのが『ラテン・バロック・コレクション(Latin Barock Collection)』(1965年)。先日触れた『乙女の祈り〜Classic in Bossa Nova』 (シンガース・スリー&池野成秋とプレイ8)がエレガントであるとすると、こちらはちょっとビターでマスキュリン。ラテンの軽やかさとジャズらしい凛としたサウンドが融合の作品ですね。
キング・ヴィンテージ・ジャズ コレクターズ・エディションでCD化、再発されたもの(この再発シリーズ、秀作ばかりですね。すでに数枚買っちゃいましたが、まだまだ欲しいのたくさんです)。

このアルバム、演奏メンバーがすごいのですよね(ウエストライナーズ関係中心に)
演奏(敬称略):渡辺貞夫(フルート)、宮沢昭(フルート、サックス)、中牟礼貞則(ギター)、松本浩(ヴィブラフォン)、前田憲男(ピアノ)、八木正生(ピアノ)、滝本達郎(ベース)、猪俣猛(ドラムス)、能見義徳、山口靖、川原正美、川原実(パーカッション)、伊集加代子(ボーカル)

1960年代半ばのジャズでバッハの流れ、ラテンなジャズでの"BAROCK"という企画のユニークさだけでなく、豪華メンバーの演奏はやはり聴かせてくれます。バロック、バッハならではのポリフォニーの曲構成がいきたそれぞれの楽器のソロパートなど、つくづくと…。

シンコペーション効いた『主よ、人の希みの喜びよ』やスキャットが際立つ『G線上のアリア』ほか、すべての曲がよいのですが、アルバム評、紹介などにもあるように、アフロ・キューバンなアレンジの『トッカータとフーガ ニ短調』、とにかく、かっこいい。

トッカータとフーガ ニ短調 (Toccata And Fugue In D Minor)

聴いてて自分にも伝染してくれそうな、このかっこよさ、酔いしれ度満点。「なりきり」気分で聴きたい感じの1枚とでもいったらよいでしょうか。

収録曲:
1. ブランデンブルク協奏曲 第4番 アレグロ
2. 音楽の捧げもの 六声のリチェルカーレ
3. G線上のアリア
4. トッカータとフーガ ニ短調
5. パッサカリア ハ短調
6. 管弦楽組曲 第2番 バディネリー
7. フルート・ソナタ 第1番 第3楽章
8. 六声のインヴェンション 第9番
9. ブランデンブルク協奏曲 第5番 アレグロ
10. 主よ、人の希みの喜びよ

(投稿:日本 2012年11月12日、ハワイ 11月11日)


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先日からのスキャットな流れでの一枚。シンガース・スリー&池野成秋とプレイ8のアルバム『乙女の祈り〜Classic in Bossa Nova』(1968年)、前々から気になりながらも、ちゃんと把握できておらず、数年前にCDになってたのですねぇ、最近ようやく入手。午後のコーヒータイムによし、トワイライトのカクテルタイムにも。この秋お気に入りのすてきな一枚であります。

このアルバム、タイトルにもあるように、クラシックの名曲をボサノヴァ・アレンジでカヴァーしたもの。シンガース・スリーのブライトでクリアなスキャットを池野成秋氏のエレガントなピアノとプレイ8のサウンドがしっかりとひきたてた、すてきラウンジ仕上げとなってます。

1960年代、クラシックのスキャット・カヴァーといえば世界的大ヒットとなったスウィングル・シンガースの『Jazz Sebastian Bach』(1963年)があり、その流れからの作品でもありますが、このアルバム『乙女の祈り〜Classic in Bossa Nova』は、選曲も特徴的ですね。
1968年というこの時代、日本でクラシック音楽といえば、まさにこれ、という、ピアノ、その他でおなじみのポピュラーなクラシック曲の定番(『ドリゴのセレナーデ』なんかも入ってるところがうれしいです♫)。こうして時を隔てて聴くと、この選曲は安心感と和みをもたらしてくれるのですが、同時に、時代普遍のフレッシュさを感じさせてくれるのが、伊集加代子さんはじめとしたシンガース・スリーのスキャットならではといったところでしょうか。

Moodsville Presents 昭和ダンス・パーティー@池ノ上・こあん』や『Love Sounds Style~Victor Edition~』などのコンピレーション・アルバムにも数曲収録されてたりしますね(そもそもの私的きっかけもコンピから)。収録曲のリストとそのものをいくつかこちらに。じつによいです。

収録曲リスト:
1. 乙女の祈り Maiden's Prayer


2. エリーゼのために Fur Elise
3. シューベルトのセレナーデ Schubert's Serenade


4. 菩提樹 Lindenbaum
5. ドリゴのセレナーデ Drigo's Serenade
6. 幻想即興曲 Chopin's Fantasie Impromptu
7. アベ・マリア Ave Maria
8. ショパンのノクターン Chopin's Nocturn
9. シューベルトの子守歌 Schubert's Lullaby
10. ブラームスの子守歌 Brahms' Lullaby
11. 愛の夢 Love's Dream (Liebestraum)


12. 別れの曲 Chopin's Etude No.10-3


(投稿:日本 2012年11月7日、ハワイ 11月6日)


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先日、BS-TBS「水曜デラックス」で放送されていたブリジット・バルドー主演の『殿方ご免遊ばせ』(原題: Une Parisienne)を途中からではあったのですけど観賞いたしました。

タイトルは知ってはいながらも、初めて観たのですが、ミシェル・ボワロン監督でコメディタッチの 軽快な作品ですね。出演は、役名もブリジットなブリジット・バルドーのほか、アンリ・ヴィダル、シャルル・ボワイエ、ナディア・グレイ、アンドレ・リュゲ。
あらすじと作品情報

Une Parisienne trailer
予告解説は英語。当時、日本での公開も本国フランスと1週間程度の差だったようですし、各国上映、BB(べべ)の人気を感じます。

1957年ということで、この映画でのBBは、キュートなわがままお嬢さんといった感じで。セクシーでありながらもわいらしさたっぷりのコケティッシュな雰囲気。ストーリー云々というより、BBの魅力とファッション要素満載の楽しい作品といった感じですね。と作品最後に、この曲 (予告編でも一部が使われてます)。

B.O du film "Une parisienne" ♫ Paris B.B ♫ Chant : Christiane Legrand
Henri Crolla/André Hodeir/Hubert Rostaing

あーっ、このかっこいい!ぜったいどこかで聴いたことある!そして、この声は!
と少々検索で、やっぱり。
クリスチャンヌ。クリスチャンヌ・ルグラン(Christiane Legrand)。
そういえば、どこで聴いたかというと、濱田高志さんの「ヒットメーカーが語る 作品誕生秘話 TV AGE」講座で、昨年の他界後の同講座「クリスチャンヌ・ルグラン追悼」的なときに、だったのだと思います(きしくも、この映画、テレビでの放送もクリスチャンヌの一周忌、ご命日でした)。

たしか、そのときもすごく感覚にきたのです、この曲、特に。
高音でスタイリッシュなボイス。

映画作品とともに聴いて、いかにこの曲が作品中のブリジットの雰囲気を引き立てているかも、よくわかります。

『殿方ご免遊ばせ』でのクリスチャンヌのスキャット、こちらの"Duo du Balcon"も。

Christiane Legrand - Une Parisienne OST - Duo du Balcon - French Scat Jazz
Henri Crolla - André Hodeir - Hubert Rostaing

これ、アンドレ・オデール(André Hodeir)、アンリ・クローラ(Henri Crolla)、もですね。演奏もかっこいいです。
クリスチャンヌ・ルグラン。1957 年というと、多分まだジャズ・ボーカル・グループ"Les Double Six"の前でしょうか。"Blue Stars Of France"で活動の頃でしょうか。名前がクレジットされているワークの中では、初めのころの作品ですね。

そういえば、映画でのアンリ・ヴィダル演じる大統領秘書官(ブリジットの旦那様)の役名は、ミシェル・ルグランだったりもします:) おもしろい。

(投稿:日本 2012年11月4日、ハワイ 11月3日)


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局の個性あり、味わい深く、大好きなカテゴリーである、テレビやラジオの放送終了、クロージング映像。いろいろな局のものをよく動画サイトなどでながめているのですが(いままでもいくつか、その線での投稿もしてますが)、ちょうど1年半ほど前にたどりついたのが、この「1985年当時のTYS・テレビ山口のクロージング」。

テレビ山口クロージング
1985年当時のTYS・テレビ山口のクロージング

眠るお人形さんの映像もかなり好きな感じなのですが、たまらなく惹かれたのが、BGM。ヴァイオリンの奏でるどこか懐かしくせつない響きにジャズ・アレンジ。あぁ、これなんていう曲だろう、だれの演奏なのだろう、と。ときどきむしょうに聴きたくなっては、この動画を眺めており。

先日も、また聴きたくなって…視聴。
あっ、そうか、Shazam使って調べたらわかるかもと思い…。
そして、ようやく。アンドレ・プレヴィンとヴァイオリニストであるイツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)"Little Face"という曲だということがわかり(よくよく考えたらというか、気づいたら、youtubeには一部楽曲には自動紹介リンクもつくようになったのですよね。初めてみたときにはなかったけど、現在は情報ちゃんとありました)。

というわけで
シェリー・マン&ヒズ・フレンズ マイ・フェア・レディ (Modern Jazz Performances Of Songs From My Fair Lady)
アンドレ・プレヴィン/ カル・ジェイダー/ デイブ・ブルーベック ウエスト・サイド・ストーリー
など、シェリー・マン(Shelly Manne)とアンドレ・プレヴィン(Andre Previn)のこと、気になりのきっかけはテレビ山口のクロージングからだったのでした。

"Little Face"収録のアルバムは、1980年の『Different Kind of Blues』。演奏は、アンドレ・プレヴィン(ピアノ)、イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)、シェリー・マン(ドラムス)、ジム・ホール(ギター)、レッド・ミッチェル(ベース)。

ジャズ、映画音楽からクラシック中心となっていたプレヴィンのひさしぶりのジャズの仕事だったのですね。ここで、あらためてアンドレ・プレヴィンの経歴を。アマゾンのアンドレ・プレビン バイオグラフィーから転載です

「現代を代表する指揮者、ピアニスト。10代のうちからプロフェッショナルなキャリアを歩み始めた天才児であった。彼の激しく打ちつけるピアノのスタイルは、時にその繊細なタッチで聴衆の心に染み入るものでもあった。ドイツに生まれるが、ナチスから逃れフランスへ渡り、パリ音楽院で学んだ。その後、アメリカへ渡り、映画音楽家やジャズ・ピアニストとして名声を得る。同時にサンフランシスコ響の音楽監督 モントゥーに師事し、1962年セントルイス響を指揮して、クラシックの分野における栄光の道を歩み始めた。68年にはロンドン響の音楽監督に大抜擢され、その後は着々とキャリアを積み、現在の地位を獲得した。柔軟な音楽性をもち、ピアニスト、音楽解説者、作曲家としても有名で、また、ジャズ・ピアニストとしての活動も中断することなく続けている。」

監修やアレンジ、アカンパニスト(伴奏者)としてのワークもたくさんで、じぶんが持ってるもの中でも、ジュリー・ロンドンのものなど、プレヴィン関連ワークはありました。

アルバム8枚分の4枚CDであるらしき、お手頃セット『Eight Classic Albums』もあったりするので、ちょっと欲しいかなとか。

ラス・フリーマンとの2ピアノな『Double Play! [Analog]』(1959年)もよさそうで(ドラムスはシェリー・マン)、先のセットにも入ってるけど、ジャケットすてきなのでアナログ欲しいかなぁとも思ったり…

Andre Previn, Russ Freeman, Shelly Manne - Take me out to the ball game (1959)

…そんな、いろいろだったりしています。

(投稿:日本 2012年11月2日、ハワイ 11月1日)


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