このところ、気分だなぁと思いながら聴いてた、沢井忠夫さんと山本邦山さん、他による『琴・セバスチャン・バッハ大全集』から、いままでの気になりと往ったり来たり、さらには、幼少とまではいかないのですが、ずっとずっと前の気になりへとつながった、沢井忠夫さん。そんないろいろなあらためて。

まずは、『琴・セバスチャン・バッハ大全集』を。このアルバム、ほんとうにすばらしいですね(いま、こちら書きながら聴いてる、NHK-FM 小西康陽 これからの人生(ゲスト:宮川彬良)でも、ちょうどかかってたりしましたけど)。

邦楽器でのメイン演奏は、琴の沢井忠夫さんと尺八の山本邦山さん。前田憲男さんのアレンジが、またなんともいえずよく。ボッサ的あり、ジャズであり、または、クラシック調を活かしながらエスプリ感じられるものであったり。やはりこのサウンドは、先鋭ジャズ・プレイヤーでの演奏ということもあってのもの。参加ミュージシャンは、ギター中牟礼貞則さん、ドラムス猪俣猛さん、ベース滝本達郎さんで、沢井忠夫さん夫人の一恵さんも琴で。

『琴・セバスチャン・バッハ大全集』は、1970年、1971年に第1集・第2集としてだされたものをまとめられたもの(当時、レコードでも、好評につきということで、1972年に、この2集はまとめられてるのですね)。収録曲いくつか、動画にもあがっていたりするのですけれど、それぞれアレンジの特徴を感じられるものを。

前奏曲第1番(平均律クラヴィーア曲集第1巻より):
これ、琴という楽器の特徴がとてもよく活かされていて、かつ、ボッサなギターがしっくりと。かすかに歌うベースといい。なんともいえず素敵なアレンジで、かなりお気に入りの1曲。そもそも、この曲がアルバムとの出会いでもあり

主よ、人の望みの喜びよ (カンタータ第147番より):
バッハの持ち味であるポリフォニーなサウンドが、ほんとうにバラスよく。琴と尺八はもちろん、こちらもかすかなギターがちょっとリュートのような響きにも聴こえバロック的音モチーフとスタイリッシュなブラシでのジャズドラムが品よく。ちょっとMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)の雰囲気なども感じられたり。

シチリアーノ (フルートとハープシコードのためのソナタ第2番変ホ長調より):
こちらは、もとのフルートとハープシコードが尺八とギター、琴となって、シンプルなアレンジがとてもとても美しい作品。

沢井忠夫さんと山本邦山さんは、邦楽器でのジャズ作品でのすばらしいワークが多く、いままでもこのほかのいくつかの作品に触れて、大好きな方たち。おふたりは、1964年には、「民族音楽の会」というものを結成されたり、邦楽界へ新風を送りこんだ方でもありますね。1960年代半ばには、赤坂のレストラン・シアター「MIKADO」でも演奏されていたとは!沢井忠夫さんに関しての細かいこと、いままで気づかなかったこと、ほかにもといろいろなので、明日にでも、またつづきを。

(投稿:日本 2012年5月30日、ハワイ 5月29日)

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