先日、ジャズ的な雰囲気と松鶴家千とせさんについて、すこしのまとめをして考えてみたりしながら、先の投稿でもふれた、コンピ『ALWAYS外伝~昭和爆笑伝説~』さっそく聴いてみたのでした。

こどものころ、ジャズはちょっと「オトナ」でありながら、親しむきっかけとなったのは、お笑い的要素からであったりするなぁと、つくづくで。

ジャズと大人の世界は、昭和のある時期、比較的長いあいだにわたっての雰囲気でもあり、ほんとうにいろんな意味で、しかもじつに幅広く、いろんな方による、なのですよね。大人とはいってもとっつきにくいものではなく。じぶんの中でのテーマのひとつでもあるのかなぁとは、気づいていたのですけれど、あらためて。これから、すこしづつ折をみて、先のコンピアルバムから、そして、別のものも、こちらでもいろんな作品に触れていけたらなぁと。

ということで、本日は、わかりやすくちょっと「イケナイ」世界の大人ものであり、替え歌ジャンルでもあり。時期的にも、比較的近い、1978年のこれ。林家木久蔵(現・林家木久扇)さんの『いやんばか~ん』。

林家木久蔵:いやんばか~ん(1978年(昭和53年))
原詞曲:W. C. Handy。 日本語詞:林家木久蔵、編曲:あわの圭一

歌詞ナビ - いやんばか~ん - 林家木久蔵 - 歌詞
演奏はさらりとした感じで、かっこいいですよね。どなたが参加してたのでしょうか。
それにしても、スキャット部分、意識的なオーバーさながら、完璧ですね。



「いやんばか~ん」、まわりのおとなは「こんなの聴いちゃだめ」といいながらも、おもしろがり、こどもはキャッキャッいうような完全なる昭和の「ちょっとHな」カテゴリーの代表曲のひとつ。
一世を風靡。よくクラスの男子は「いやんばか~ん」と、ふざけてたような思い出も。

原曲の『セントルイス・ブルース(St. Louis Blues)』は、ここから知ったのかも、です(その前にもBGMなどでは耳にはしてたでしょうけれどね)。

『セントルイス・ブルース(Saint Louis Blues)』、数え切れないほどのカヴァーがあるジャズのナンバーであり、最初にポップス的というかポピュラーになったブルース曲のひとつでもありますね。

このヴァージョンは、この曲のその後のカヴァーの雰囲気のもとともなっているひとつですね。

Louis Armstrong & Bessie Smith:The St. Louis Blues (1925年)



この曲が、W.C. Handyによって作られたのは、さらに前の1914年のこと。『St. Louis Blues』のほかにもブルース曲を。ポピュラーになったのは、数年たって、のようですね。

W C Handy and Orchestra:St. Louis Blues(1922年)



Wikipedia:St. Louis Blues (song)によると、この曲から、フォックストロットが生まれるもととなったとも(Fox Trot)

1920's Fox Trot:



林家木久蔵(現・林家木久扇)さんにもどりまして。
いまだに、この曲『いやんばか~ん』のイメージがまずはじめに、というほどなのですけど。
赤塚不二夫やタモリとは長く親交あったりするというのも、なんとなくわかるようなです。
「笑天」でも、木久ちゃんでああいった感じの方ですが、趣味人で、いろんなこと知ってる方ですからね。

もともと、漫画家志望だったのですよね。清水崑さんのお弟子さんだったのですね。
1958年には、『漫画サンデー』に掲載されたそうですが、話がおもしろいからと薦められ、紹介もあり、1960年、3代目桂三木助に入門(3代目桂三木助さん、このあとすぐに他界)。

コミックソングやナンセンスソング:
ALWAYS外伝~昭和爆笑伝説~』、こどものころの懐かしいおなじみ作品や生まれる前のものでも、これは知ってるという、1959年から1986年、昭和の代表的な作品ばかり。でも、「あたりまえ」感を感じさせない、ラインアップ。きちんと、でもたのしく、とてもすばらしい選曲です。
ライナーノーツは鈴木啓之さんが書いてらして。

やはり、このジャンルの愉しみは、聴いてたのしいということが一番の理由ではありますけれど、その時代、時代の社会や風俗が反映されているのが、またよいですね。それらは、流行語であったり、歌われているすべてのこと、ファッションしかり。それだけに、もうすこしデータというか解説というか、そんな感じのものが細かくあるとうれしいかもです。

ただ、それをあらためてまとめるのも楽しい作業ですね。すこしづつ。

(投稿:日本 2012年4月5日、ハワイ 4月4日)

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