ここ数日、ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)を聴いてます。いままで、ちゃんとアルバムで聴きたいなぁと思いつつ、そのままだったのですけれど、最初の一枚として聴いているのは、アルバム『May I Come In』。1964年の作品。
もともとピアニストとして、音楽キャリアをスタートしたブロッサム・ディアリー、初期は、自らピアノを弾きながら小編成のバックで歌うことが多かった中、このアルバムは、本格編成のオーケストラで歌った初めての作品であり、また、ウェストコーストでのレコーディングというのも初めてだった、という作品なのですね。
オーケストラといってもとても軽やかで、ブロッサムの歌声にあった軽やかアレンジ。寒い冬に甘くあたたかな歌声♫ いまの季節、お部屋ですね。
収録曲:
Something Happens To Me/ (I'm) In Love Again/ When Sunny Gets Blue/ Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)/ Don't Wait Too Long/ I Wish You Love/ Charade/ May I Come In?/ I'm Old Fashioned/ Love Is A Necessary Evil/ The Best Is Yet To Come/ Put On A Happy Face
歌声はもちろんのこと、ブロッサム・ディアリーの歌唱、解釈もとてもすばらしいですね。自身も作曲もし、演奏家でもあるからなのでしょうか。
動画でも、聴ける曲がいくつもあるようなので、この中から特によいなぁと思う曲をいくつか。
Something Happens To Me:
1曲めの『Something Happens To Me』、すっかり魅了されました。
この曲、とてもかわいらしくて、ブロッサムの歌声にぴったり。マーヴィン・フィッシャー作曲、ジャック・シーガルの作品。ほんとうにすてきな魔法にかかってしまいそうです。
I'm Old Fashioned:
この曲でピアノを弾いているのは、ブロッサム・ディアリー自身なのですね。ジェローム・カーン作曲、韻の美しいジョニー・マーサー作詞の曲も、また、とてもすてきで、そんなオールドファッション、ちょっとはにかみで夢見がちな雰囲気に、また、そっと甘いボイスがぴったり(ウィスパーともまたちがうなんともいえない魅)。
Quiet Nights:
そしてジャズ・ボッサおなじみ、大好き曲な『Quiet Nights(Corcovado)』もすてきです。
最近特に、ブロッサムの在フランス時代のBlue Stars Of Franceでの活動のことなどにも興味をもっていたりするのですけれど(これもあらためてちゃんと聴きたいと思ったきっかけのひとつ)、アメリカに戻っての、本格的な活動の作品の中にも、フランス要素を入れているのですよね。
このアルバムでは、シャルル・トルネによるシャンソン『Que Reste-T-il De Nos Amours』の英語訳、『I Wish You Love』を歌っていますね。
I Wish You Love:
ちょっとさみしいわかれの曲なのに、明るく、歌詞も絵に浮かぶような美しいものばかり歌われているのが、なんともせつないです。
そして、もちろん、アルバムのタイトル曲である『May I Come In?』や曲『Quiet Nights(Corcovado)』、『Charade』もよいのです。
次に聴いてみたいなぁと思っているアルバムはフランス語での『L'Etang』が収録されている『My Gentleman Friend』や『Plus Je T'Embrasse』の収録されている『Give Him the Ooh La La』など。
そのほかにも、ぜんぶだったりもするのですけれど。
(投稿:日本 2011年12月29日、ハワイ 12月28日)
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