昨日に続きジェリー伊藤さん、あまり知られていないことのもうひとつに昭和の名曲『誰もいない海』におけるポジションというものがあるのではないかと思うのです(その軌跡をたどるまで、わたしが知らなかっただけかも知れません)。この曲はもともと、「木島則夫モーニングショー」の「今週の歌」というコーナーでジェリー伊藤さんのために、作詞、山口洋子さん(作詞家の山口洋子とは別人)、作曲、内藤法美さん(越路吹雪さんの夫)によって書かれたものだったのですよね。

1968年、CBSソニーからシャンソン歌手、大木康子さんによるものがレコードとして発売され、1970年11月5日に東芝音楽工業から発売されたトワ・エ・モワのヴァージョンがオリコン16位で大ヒット。わたしが一番なじみがあった越路吹雪さんのヴァージョンも発売は同日、オリコン92位だったそうです。

そして、オリジネーターであるジェリー伊藤さんのヴァージョンがレコード化されたのは、1971年。3コーラス目はご本人が訳詞を手がけた英語なのだそう(ちなみにB面は『SAYONARA』)。
LOVE SHOP RECORD:ジェリー伊藤 「誰もいない海 b/w サヨナラ」
ジェリー伊藤さんによる『誰もいない海』なんとしてでも聴いてみたいのですが、現在は入手がかなり難しそうですね。いつか出会いがあることを祈りつつ。コンピレーションなどでもいいから収録されてくれないでしょうか。

始めにシングルをリリースされた大木康子さん、トワ・エ・モワ、越路吹雪さんの他にも多くの方がアルバムなどでも歌ってらっしゃる『誰もいない海』。いったいいくつのヴァージョンがあるのでしょうか。
テレビ番組での映像などはのぞいたとしても、かなりの作品がYouTubeだけでもみつかりますね。という訳で、きょうはお気に入りのヴァージョン、気になるヴァージョンを中心にこちらに記録してみることにしました(あまりにも数が多く、埋め込み不可なものもあるので、YouTubeへのリンクにしているものもあり)。

越路吹雪:1977年ヴァージョン
一番のお気に入りは、越路吹雪さんのセルフカヴァー、羽田健太郎さんアレンジのもの。1977年リリースのアルバム『一寸おたずねします』からのもの。
参加ミュージシャン、羽田健太郎さん、後藤次利さん、斉藤ノブさん、高水健司さん、 水谷公生さん、式部秀明さん、松木恒秀さん、コーラスにタイム・ファイブという、このアルバム、とっても欲しいです!できれば、CDで再販を願いたいところです。
(以前にこのアルバムについて書いたもの:越路吹雪 アルバム 一寸おたずねします) 


越路吹雪さん、オリジナル・ヴァージョンはこちら。やっぱりこちらもいいですね
誰もいない海 越路吹雪

トワ・エ・モワ:1973年5月1日、日本武道館 ラブ・ジェネレーション・ライブ・コンサート
イントロの感じがすごくすてき。「僕たちがトップで演ります」。
(このライブ、サディスティック・ミカ・バンドや赤い鳥、オフコース、アリス、チューリップ、はしだのりひことエンドレス、シュリークスも出演。オムニバス・ライブ盤はレコード化。ジャクソン5のコンサートの前日だったみたいですね。加藤和彦さんのライブ中のトークより)


大ヒットとなったレコード・ヴァージョンはリンクで。あらためて聴くとハモンド・オルガンがきいていいですね。
誰もいない海 トワ・エ・モア

大木康子:レコードしてのリリースは初め
レコードとしては最初だった大木康子さんのもの。歌詞は、とてもシャンソン的ですし、やはり、この感じは一番あっているかもしれません。大木さんは、昨年66歳で他界、あらためて、ご冥福をお祈りいたします。デビューは平岡精二クインテットの専属歌手としてだったのですね。



岡崎友紀:1972年「小さな恋のものがたり」第13話(最終回)
大人気だった岡崎有紀さんが劇中で歌っているということからも当時のこの曲のヒットぶりがうかがえますね。爽やかなボイスでの歌唱もいいです。



石原裕次郎:
女性が歌うことが多めなようですが、裕次郎さんの『誰もいない海』すごくいいですね!この映像もすてきです。CDでは、『石原裕次郎 J-スタンダード・メモリーズ』という裕次郎さんが歌う日本のポピュラー名曲のカヴァーを集めたコンピレーション・アルバムに収録されてます。



篠ひろこ:アルバム『篠ひろこデラックス』から
1971年に発売されたヒット曲カヴァー中心のアルバム。シングル曲『悪い遊び』も収録されてます。



渥美マリ:
セクシー女優、渥美マリさんが歌うヴァージョンはムードな感じですね。この曲では、ちょっと珍しいアレンジですが、きっと当時はクラブなどでも歌われてたでしょうね。そんなイメージの1曲。アルバム『可愛い悪魔』に、シングル盤収録の7曲を追加という『夜のためいき+6』でCD化



石川さゆり:1980年テレビ音楽番組(埋め込みできませんでしたので)
この動画、情報がないのですけれど『演歌の花道』からの映像でしょうか。ナレーション、多分、来宮良子さんですよね。名番組でした!また視たいです。

グラシェラ・スサーナ:アルバム『ADORO/REINE DE SABA~アドロ・サバの女王』から
1973年5月5日発売のこのアルバム、オリコンLPチャート100位以内チャートイン回数が220週を超えるロングセラー、だったそうですね。CD化もされてます。
グラシェラ・スサーナさんは、菅原洋一さんから見出されて来日、日本での活動を始められたそうです。

菅原洋一
正統派な菅原洋一さんヴァージョンもありました。中盤のバイオリンアレンジがいいですね。

芹洋子
正統派といったらやはりこの方でしょうね。

あべ静江:アルバム『コーヒーショップで/みずいろの手紙』から
1973年09月25日発売のファースト・アルバムに収録された1曲。しっとりした感じのアレンジですね。

倍賞千恵子
ボックス選集に収録されてるみたいですね。こちらも正統派な雰囲気。余談ではありますが、倍賞千恵子さんってかなりのCDがありますね。

おなじみのナベプロ系で布施明さん、天地真理さんも
布施明:昭和カヴァーズ・ヒッツ フォーク&ポップス
言うまでもない歌唱力で歌ってくれています。



天地真理:1974年9月放送「アタック!真理ちゃん」
当時のテレビっぽい演奏ですね。こういう音、懐かしいです。



YouTubeだけでも、これだけのヴァージョンある『誰もいない海』。この名曲のオリジンについても、語りついでいきたいですね。
う~ん、これだけ聴くと、さらにジェリー伊藤さんヴァージョン、聴きたい!と強く思ってしまいます。

(投稿:日本 2010年10月3日、ハワイ 10月2日)


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石原裕次郎 J-スタンダード・メモリーズ



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