ザ・ハプニングス・フォーといえば、ということで伊東きよ子さんのこと。
伊東きよ子さん、いままでいくつかの作品は聴いてきて、中にはとてもとても好きな曲もあったりする方のおひとり。ただ、いままで、その全貌というか、活動全体を把握しきっていなかったのですが、このところそんないろいろも知り、つくづくと、時代を映し出すような活動をされた方でもあるなぁと思っているのです。

幾人かの方のカヴァーもあったりする浜口庫之助さん作の『花と小父さん』は、デビュー曲であり、ひろく知られている作品ですよね。

花と小父さん(1967年)
作詞・作曲:浜口庫之助

ナベプロ、渡辺プロダクション所属ということで、ザ・ハプニングス・フォーとは事務所が同じということもあるからでしょうが、活動をともにしている作品が多いですね。

8トラックカートリッジとカセットテープのみでの発売だったという『花のマドンナ』(1968年)も伊東きよ子とザ・ハプニングス・フォーとして。 こちらのアルバムからレア・グルーヴ的なコンピに収録されてる曲もありますが、Girl with GSシリーズ (1)としてCD化もされ、いまでもiTunesとかでも入手できますね。オリジナル作品のほかに、洋楽カヴァーもあり、『男と女』などもなかなかよく。ボッサなアレンジがたのしめたり。

伊東きよ子&ザ・ハプニングスフォー:オー・ガンソ(O ganso)
「東京ボサノヴァ・ラウンジ」にも収録。

『きよ子と愛とメルヘンと』(1969年)、これが伊東きよ子さんにそもそもは興味をもつきっかけとなった作品なのですが、クラシック曲であるバッハの『G線上のアリア』をカヴァー。このあたりから、また一種独特な世界と雰囲気をかもしだし。時代の空気、当時の若者文化を感ずるものが。ザ・ハプニングス・フォー『クラシカル・エレガンス バロック&ロール』とも同時期ですね。

伊東きよ子:悲しみの中で (G線上のアリア)

このちょっと前のシングル『見知らぬ世界』のB面ですが、シタールが効いたこちらもよいですよね。『星からの便り』

星からの便り(1968年)

伊東きよ子さん、宝塚音楽学校であったり、東宝のインターナショナル・ダンシング・チームのオーディションにもともともとステージ指向だったということもあると思うのですが(ケガのためダンスは断念されたそうですが)、この歌唱などは、歌うというより、演じているような要素もつよく、ロック・ミュージカルとか、そういったものがもっと日本で盛んであったら、まさにだなぁという感じがするのです。

作品というだけでなく、当時、どのように日々をすごされていたのだろうということもとても気になりなのは、アルバム『23時の女』の背景などからなのですよね。

このアルバム(レコ部などでも、ですが)、クニ河内さんアレンジで、ザ・ハプニングス・フォーもかかわっているのですが、ひじょうに興味深いのは、若者文化のある流れの先端であるような中でつくられていて、プロデュースが天井桟敷の萩原朔美さんだということだったり。構成もまさにそういった感じで。やはり、歌手であると同時に演者の要素がつよい方ですよね、伊東きよ子さんって、と思ったりするのでした。
(天井桟敷の関連としては、ザ・ハプニングス・フォーも『書を捨てよ!町へ出よう』のサントラにも。萩原朔美さんジャニーズ系コンサートのしごとなも当時手がけたり(お互いに斬新なような)してますけれど、やはりこの時代のすごさって、線引きがありそうでないところもなのでしょうね)

伊東きよ子:いつもと同じ朝(1970年)

23時の女:再生リスト:一部タイトルがいれちがってるものもあるかもしれません。

<おまけ:デビュー前>
ちょっともどりまして、デビュー前の活動のことですが、アメリカのフォーク・コーラス・グループ、ニュー・クリスティー・ミンストレルズ (The New Christy Minstrels)にも在籍されてたのですよね。1966年5月、グループが来日した際にオーディションがあり、そこで合格し、渡米となったそうですが、形に残っているもので参加している作品あるのかなと思っていつつ、そのままでしたが…滞米中のことに関する資料、なんでもよいからないかと。そうか、英語でと、探してみたらあったのでした。コネチカット州の新聞記事が。

米国・The Morning Record誌- Aug 30, 1966:"The New Christy Minstrels Go International"

海外からのメンバー、しかも日本人を迎えるとは、向こうサイドとしても新しい試みだったようですね。お着物姿でギターを抱えた写真での紹介記事。

NCMのサイトには在籍していたメンバーとして名前もリストされてます。 Master List of The New Christy Minstrels

(投稿:日本 2012年12月5日、ハワイ 12月4日)


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