オードリー・ヘップバーンひさしぶり観賞、『パリの恋人(Funny Face)』です。
ミュージカルのよさ、おとなになってからの再認識のいま、この映画のすばらしさもさらに、でした。

『パリの恋人(Funny Face)』は、オードリー・ヘップバーン主演4作目の1957年作品。

まえに観たときには、ストーリーの楽しさやオードリー中心だったのですけど(この映画では歌も自身)、こまかいいろいろも、ほんとうに豪華ポイント満載ですね。

監督はスタンリー・ドーネン、オードリーとベテラン俳優フレッド・アステアとの共演というとりあわせ、そして、ケイ・トンプソンの出演、受賞作品ではないですが、とてもすばらしい歌とダンスのミュージカル映画だなぁと、あらためてです。

本の虫であったインテリからファッションモデルへ、という、変身物語のおとぎ話的要素もストーリー展開も、クラシックでありながらとても心ときめくものがあり、舞台となっている当時は「現在」であったファッションの50年代後半のすてきさも。この時代、過渡期ファッションは、「女性はこうでなければいけない」感と「新たな時代への前進」と、その双方を感じる躍動感がよいですね。そして、この映画で何よりすばらしいのは、カラフルさ、ですね。ファッション誌やパリを舞台にした、その意味。それは、まさしく、オードリー・ヘップバーンのために、そして、憧れる女性たちのために用意されたといってよいのではと思えます。

フレッド・アステア演ずるカメラマンのディックがリチャード・アヴェドンをイメージしたものであったり、フロストル教授はサルトルがモデルというのもおもしろいディテールですよね。

実際、映像やスチール撮影など、アヴェドンが監修者として関わっており、それもこの映画のさらなる美しさとスタイリッシュさの素ですね。



ダンスについては、このとき、フレッド・アステアが57才であったことやオードリーのバレエで鍛えた姿勢のよさや動きの美しさをあらためて感じ、また、いままであまり意識してこなかったケイ・トンプソンの実力というかなんというかが、ほんとうにすてきです。
(オードリーに関しては、ダンスだけではなく、あぁ、このひとの身のこなしの美しさはやっぱりバレエだなぁとなんだかつくづくなのでした。ひじのはり方、ぴんとあった背筋は、しっかりと身についたダンサーのそれ、ですね)

脚本や設定はことなりますが、この映画での曲の数々は、1927年のミュージカル、ヒット作『ファニー・フェイス』からで次ジョージ・ガーシュウィンとアイラ・ガーシュウィン兄弟(George and Ira Gershwin)によるもので、ほんとうにすばらしいですね。やっぱりミュージカル曲ってとっても、とってもです(一部の曲はガーシュウィン作で別ミュージカルからも)。

ぜんぶすてきなので、再生リストつくったのですけど印象的なものをいくつかその中から。
(再生リストではストーリーの順序にそっていますが、こちらでは印象別だったり、曲や演者によってだったりです)

Bonjour, Paris!:
それぞれの「パリ」。ほんとうにいきたくなっちゃいます。



Think Pink:
心躍る映像。ケイ・トンプソンの編集長らしさがすばらしく、そして、とにかくファッショナブルでカラフルな。



ケイ・トンプソンって、ほんとうにすごい方なのですね。歌手としてデビューし、演技も踊りもすばらしい技量をもちながら、いちばんのプロとなったのは、トレーナーとしてというところが、またすてきです。MGMのヴォイストレーナーであり、ジュディ・ガーランドやフランク・シナトラも信頼をよせていた人物というのも納得です。

この映画でも、きっとストーリーの上でだけでなく、ムードメイカーであったのではないかなぁと思います。そういった意味でもかかせませんね。

On How To Be Lovely:
オードリーとケイ・トンプソン、それぞれかわいらしいです。



Clap Yo' Hands:
おとなでベテランなまさにプロというエンターテイメントさですね。



楽しい曲とダンスがこの映画では大好きですけど、アステアとオードリーのロマンチックなダンスも、美しい身のこなしはほんとうに絵になりますね(かなり年齢もはなれてたとはおもいますけど)。

I Love Your Funny Face dance:



He Loves And She Loves:



'S Wonderful:



フレッド・アステア、ダンサーですね。そしてつくづくとエンターテナー。



オードリー、ソロのダンスの軽やかさも。
このチョイスでは、ファッションに関してはゆるぎない持論をもっていたオードリーの負けという白いソックスに関するエピソードもあるシーン。たしかに、ダンスを見せる、魅せるためのファッションというものもありますね。小物のひとつまで。



と、ただただ長くなってしまいましたけど、『パリの恋人(Funny Face)』、心から楽しめる映画ですね。オードリーがとてもチャーミング。細かいディテールをみるのもまた愉しみの。

再生リスト:



おまけ:
なんといってもなファッション。音楽は、この映画からではありませんけれど、この動画もお気に入り。
ストーリー中でのファッション誌「Quality」撮影シーンの数々にレス・バクスターの曲をかぶせたというセンスのよい編集もの。



(投稿:日本 2012年3月15日、ハワイ 3月14日)

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