古谷充とザ・フレッシュメンのアルバム「ファンキー・ドライブ(FANKY DRIVIN'(FUNKY かなともおもいますけど、タイトルはFANKY))」と「民謡集」の2枚が収録されたCD、10日ほどまえに入手してすっかりお気に入りとなりました(CDとしての枚数は1枚です)。

こちら、Think!昭和ジャズ復刻シリーズでの1枚で、アーティストへの気になりから手にしたものですが、古谷充とザ・フレッシュメンほんとによいですね。
レコード通の方に、「コレは名作っす!-_-b」と太鼓判いただいてましたが、ほんと、じつにじつに、です。

CDは2枚分ですが、それぞれのアルバムからのいろいろがあったので、本来のアルバムどおり、こちらでは分けて。
まずは、1961年リリースの「ファンキー・ドライブ(FANKY DRIVIN')」。
そのサウンドはもちろんのこと。すばらしいアルバム!

1959年のバンド結成から2年という時期のこのアルバム、古谷充とザ・フレッシュメンが、どういうひとたちであったのか、ということも感じることのできる作品。
(CD化にあたってライナーノートを書いてる「JAZZ PERSPECTIVE」の山本隆さんの感は、まさにそのものな。氏の、このアルバムとの出会いの興奮も聴けば聴くほどつくづく、そうそうとうなずきたくなります。)

オリジナルもカヴァーも全曲すばらしく。というか、この時代でこれだけのレベルの高いオリジナル作品って、とうなりたくなります。メンバーそれぞれの個性、リーダーとしての古谷充さんの技量・度量とか、あとは、大塚善章さん、ピアニストとしてはもちろんのことですが、作編曲の才がきわだちますね。

収録曲:
1. 城ヶ島の雨/2. アローの夜は更けて*/3. ソウルNO.1*/4. アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリーム/5. フリー・ソウル*/6. タブー/7. 暗い夜*/8. ディグ/9. ユー・ドンド・ノウ・ホワット・ラブ・イズ/10. ストレンジャー・イン・パラダイス(*印はオリジナル)

この作品、思っていた以上の興味や気になりをもらったので、そんなことをすこしまとめてみたいと思います。

収録曲のなかからしぼりにしぼっての2曲。

アローの夜は更けて:
作・編曲:大塚善章

英語のタイトルは「Arrow After Dark」という、この曲。古谷充とザ・フレッシュメンが専属バンドとして活躍していたクラブ「ARROW」にちなんだもの。米国のジャズ曲にも、有名なジャズクラブうジャズスポットの名前を作品に織り込んだものがあることから、つくられたというもの。タイトルもそんなフォーマットにのっとり「"ARROW" After Dark」なのですね(「… After Dark」式)。邦題の「…夜は更けて」というのもある種のフォーマットですよね)



ここで、クラブ「ARROW(アロー/アロウ)」への興味がぐんぐんと。
この記事よいですね
MSN産経ニュース:【大阪の20世紀】(8)大阪ジャズと高級クラブ「アロー」 若者の情熱が生んだ奇跡
「ショーには、エラ・フィッツジェラルド、アニタ・オデイ、オスカー・ピーターソンらが次々と出演。H・F・カラヤンが客として来店したこともある。」という名店なのですね。「アイ・ジョージ、坂本スミ子らはここで歌手デビューし、司会進行役は永六輔、前田武彦らが務めた。作家の卵だった小松左京も頻繁に訪れ…」。そうか、アロー・ジャズ・オーケストラとかは、ここの専属バンドだったのですね、とか。そんな興味も。
「ナイトクラブは現代版のお茶屋なんや」(アローのオーナー、現・大和屋社長、阪口祐男氏談)って、華やかぁ…。そんなナイトクラブいってみたかったです…。

古谷充さんのこと、ザ・フレッシュメンのこと、そんなに多くはないのですけど、さがすととても詳しい情報もありました。

このインタビューなんかも、すごくよいですね。
Honey FM 82.2:SPECIAL INTERVIEW ~古谷 充~
古谷さんご自身のこと、お父様のことや戦前・戦後のジャズやクラブシーンの雰囲気を感じることができて。

サックスはもちろん、ボーカルもすばらしい古谷さんが歌うようになったきっかけ。そのほかいろいろあって。
先日も、小西康陽さんのラジオ「これからの人生」で馬場正道さんが選曲された一時間の回(2012年6月27日)、古谷充とザ・フレッシュメンのものがかかり、馬場さんは曲解説(番組ホームページ内)で「古谷充と小坂一也の声が好きでしょうがない」っておっしゃってたけど、古谷充さんのボーカルはとてもすばらしく。声、そして、そこに流れる空気とか。インタビューでのご自身談がありましたけど、曲を大切に歌っているということもとてもよく伝わりますね。

もともと大好きな「I'll See You In My Dream」ですが、このヴァージョン、ほんとうにすてきですね。いままで聴いてきたどのヴァージョンより好きかもしれません。

アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリーム:
作詞:G. Kahn
作曲:I. Jones
編曲:大塚善章



気になりもうひとつ。このアルバムではインストゥルメンタル曲として収録のオリジナル曲「暗い夜(Loose Lousy Blues)」は、古谷充さんボーカルで当時オムニバスドラマ「十字路」(キー局:CX)の主題歌でもあったのですね。
ドラマとともに、歌ヴァージョンのほうも聴いてみたいな、と気になっております。
テレビドラマデータベース:十字路

さらに…ここでは、ちょっと「ついで」みたいな感じになってしまいますけど、アルバムのジャケットのイラストを手がけている鴨居羊子さんのことも…。ますます知りたくなってみたり…。
「日本の女性の下着に革命を起こし、女性自身が楽しむファッションとしての下着文化を創造した鴨居羊子」
鴨居羊子プロフィール(チュニック)

作品としてのよさはもちろんのこと、興味をさらにひろげてくれた、古谷充とザ・フレッシュメンの「ファンキー・ドライブ」、出会えて、ほんとうによかったなぁと思うアルバムです。

古谷充とザ・フレッシュメンの「民謡集」へとつづく。

(投稿:日本 2012年7月18日、ハワイ 7月17日)

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