『日本ジャズの誕生』を読んでの気になりびと佐野鋤さん、昨日はジャズ・アレンジの民謡を聴いてみたのですが、きょうは、佐野鋤さんが日本に持ち込み、その後も多くの方に歌われている歌『ブンガワンソロ Bengawan Solo』を聞いてみました。

『ブンガワンソロ』は、インドネシアのグサン・マルトハルノさんという方が歌っていたクロンチョン(インドネシアの演歌・歌謡曲)。佐野鋤さんは、昭和17年に慰問団としてシンガポールとインドネシアに行ったときにこの曲に出会い、日本帰国後に慰問旅行報告コンサートで披露したのだそうです。その後、レコードもリリース、コンサートではグレン・ミラー・スタイルだったそうですが、こちらは、クロンチョン的な音も残しつつ、軽吹奏楽スタイル。探してみたら音源がありました。タイトルは、『美はしの河』というものだったようですね。



こちらは、オリジナル録音ではないのですが、原曲の作曲者であるグサン・マルトハルノ歌唱によるレコーディング。この曲は、ジャワ島中部を流れ川「ブンガワンソロ」を歌ったもの。1940年に作曲されたそうです。グサン・マルトハルノさん、1917年生まれ、ついこの間、今年の5月20日にお亡くなりになったそうです。すてきな曲に感謝し、ご冥福をお祈りいたします(クロンチョン系のCD、なぜか2枚ほど所有してるのですが、また聴きたくなってきました)。



代表的なヴァージョンとしてしられている、こちらは、松田トシさんによる『ブンガワンソロ』。日本語詞も自らてがけたそうです。歌手としてこの唄を歌ったのは、一部では松田トシさんが最初と知られていたりもするそうですが、昭和22年収録。瀬川昌久さん著『日本ジャズの誕生』によると、大橋節夫さんや他にもハワイアン系の方が先に吹き込んだものもあるそうです。
松田トシさんのものは、1949年の黒澤明監督『野良犬』の中でも使われているようですね。



こちらは、渡辺はま子さんのヴァージョンで、日本語詞、坂口淳さん、アレンジ佐野鋤さん。



そして、その後もいろいろな方に歌われてきたようですね。全部ではないのですが、印象的なものを数曲あげてみました。

小林旭さんで『アキラのブンガワンソロ』。やっぱり「アキラの」ですね。「ブンガワンソロ~、ソロソ、ソロソロソロ~、ソロソロ♪」、楽しい南国の恋を歌ったヴァージョン。映画『波涛を越える渡り鳥』(昭和36年)での挿入歌だったのですね。



ライブでは、小川美潮さんも歌ってますね。
「仙波清彦とはにわオールスターズ イン・コンサート」より、1991年5月21日 芝メルパルク・ホール

(ライブ動画はなくなってしまったようでなので、こちら補充)



こちらは、歌詞なしのインストゥルメンタル。好きな音要素たっぷり、ベースの感じも、いいです♪
オリエンタル・オーケストラ、アルバム『支那の夜/ 蘇州夜曲 ~ベスト・オブ・チャイナ・ムード』より



[番外:海外編]
佐野鋤さんが日本に持ち込んだ『ブンガワンソロ』というテーマからははずれてしまいますが、とってもすてきな海外ヴァージョンを知りました。中国語によるものなどたくさんあるのですが、ポップな感じのものをいくつか。あまりにも好きな感じなので、「番外:海外編」ということで。

シンガポールのバンド、The Crescendosによる『Bengawan Solo』。1960年代のもの。



Anneke Gronlohさんはマレーシアの人気歌手のようですね。こちらも1960年代です。



なんか探してたらすごいことになってきたので、こちらはまた別に収集することにしたいと思います。というわけで、近いうちに「つづく…」です。

(投稿:日本 2010年6月14日、ハワイ 6月13日)

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