NHKドラマ『阿修羅のごとく』のオープニング、わたしにとっての3月の思い出の曲のひとつ。
『阿修羅のごとく』は、1979年に放送(パート2は1980年)された、向田邦子さん脚本、和田勉さん監督の3話ドラマ作品です。ひとつの家庭を舞台とし、向田邦子さんならではの人間ドラマを描いたもの。四姉妹を演じたのは、加藤治子さん、八千草薫さん、いしだあゆみさん、風吹ジュンさん、父親役は佐分利信さん、母役は大路三千緒さん、他に、深水三章さん、宇崎竜童さんも出演されていました。(現在、NHKオンデマンドで視聴できるようですね。
https://www.nhk-ondemand.jp/program/P200900043700000/index.htm)
このドラマ、再放送されたのが中学2年の3月、ちょうど入院していたときだったので、とっても記憶にありなのです。そして、このテーマソングがずっと頭の中に。
入院したのは、神田にある古い病院(病院の話、最後にあり。松田優作さんファン聖地です)。一人部屋だったので消灯後もテレビ鑑賞。ちょうど、消灯時間を過ぎるころ、『阿修羅のごとく』が放送。
ただでさえ、この病院、夜はかなり特有の雰囲気。オープニングテーマを暗闇の中、ひとり聴くとなんだか怖さ倍増。特に怖い曲という訳ではないのでしょうが、中学生でしたから。
そういいつつ、当時もかなりこの曲お気に入りでした。
曲のタイトルは、『メフテル(またはメヘテルハーネ=軍楽)「ジェッディン・デデン」 'Ceddin Deden'(祖父も父も)』、トルコの軍楽です。
トルコの軍楽、独特のメロディラインですよね。主に使われる楽器は、ズルナ(チャルメラのような管楽器)とダウル(左手で持ち、右手の撥で叩く太鼓)。その他、管楽器にボル(ラッパ)、打楽器にナッカーレ、キョス(太鼓の類)、体鳴楽器(鳴り物)にズィル(シンバルの原型。仏教の法会(ほうえ)で使う鐃鈸(にょうはち)のようなもの)、チェヴギャーン(いわゆるターキッシュ・クレッセント。音の鳴る杖で、日本では山伏が持つような錫杖に似る)などを用いた。(Wikipedia:メフテル)
向田邦子さんは、とても旅がお好きだった方なので、トルコなどにも行かれていたようですね。
[同和病院:いまは無き近代名建築物]
中学2年もあとわずかという三学期、体育の時間後に膝がはずれてしまい、膝蓋骨脱臼。体操は得意だったので、お手本演技など。授業終了マットの後片付け中のことでした。先生もびっくりの大騒ぎ、すぐ帰れるのかと思いきや入院。
わたしの入院していた病院、神田にあった「同和病院」という病院なのですが、近所に「やぶそば」なども。
この病院、松田優作さんのドラマ『探偵物語』の撮影に使われた建物だそうです。いま知りました!なんで気づかなかったのでしょう。そんな聖地に入院していたのですね。
とっても歴史ある建物だということは聞いていたのですが。
その後ずっと気になり、また訪れてみたいと思っていた建物。
平成10年に取り壊されてしまったそうです。いまは別の場所に移転し、名前も変わったそうです。
夜は怖い、怖いと思っていたのですが、当時から古い建物にとても興味があったので、歩けるよういなってから院内探検を楽しんでました。
もともと医師会の倶楽部として建てられたもので、細部の装飾にこだわりがあり、窓のディテールやステンドグラスがとってもすてきだったのです。廊下には彫刻なんかもあったりして、ベッドは漆ぬりの木製。
でも、もう無くなってしまったのですね。とっても残念です。
こちらのサイトで写真などご覧いただけます。
↓
消え た近代建築:同和病院 http://www007.upp.so-net.ne.jp/haikeiroku/douwa.html
近代建築ホームページ:同和病院 http://homepage1.nifty.com/tanboh/15150.htm
(投稿:日本 2010年3月5日、ハワイ 3月4日)
2011年1月14日、この名ドラマ『阿修羅のごとく』の監督をされた和田勉さんがお亡くなりになりました。すばらしい昭和のテレビ人でしたね。
ご冥福をお祈りいたします。(2011年1月)
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