日本のジャズ歌謡について検索し、調べていくうちに、川畑文子さんの活躍と歩んだ軌跡はすばらしいものだったのだということを知りました。

きっかけは、Twitterでもいろいろな情報をいただいているArappoCaroさんのブログでの戦前歌謡とハワイ出身ミュージシャンの関係や昭和ジャズ歌手であり日本人(東洋人)としてはじめてのアカデミー女優、ナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)さんなど。ナンシー梅木さんなどが活躍される以前、戦前の日本でジャズ歌謡で活躍していたのは、川畑文子さんをはじめとする日系二世の歌手の方たちだったのですね。

『三日月娘』 (Fumiko Kawahata - Shine on Harvest Moon)



この曲および映像は、ジャズ歌謡で「三日月」ものはないかと検索していて出会った曲、『三日月娘』(1933年)。川畑文子さんについて知ることとなったものです。原曲は"Shine on Harvest Moon"で満月ですが、「三日月」。「三日月」も大好きなので、とっても気に入ってしまいました。

そこで、画像はをよくみたところ、1935年「花形流行歌手名鑑」に掲載された情報がとっても惹かれるものでありました。名鑑に掲載されている42人のうち、外国生れの 女性歌手は4人いらっしゃるそうで、川畑文子さんは、そのおひとり。ホノルル生まれ、ロサンゼルス育ちの日系二世!その他の資料もたどり、12歳でダンススクールに入り、すぐに才能を発揮、フレッド・アステアやジンジャー・ロジャースも契約をむすんでいたRKOの専属ダンサーとなり、「琥珀色のジョセフィン・ベイカー」とよばれていたそうです。

その活躍の噂は日本にも伝わっており、1932年にプライベートで日本を訪れた際に各レコード会社や興業会社からオファーを受け、コロンビアからレコードをリリースし(のちテイチクに移籍)、ダンス公演なども。ハイキックなども取り入れていたとのことなので、見ごたえのあるステージだったでしょうね。

そんな画像がある『スイート・ジェニー・リー』(Sweet Jennie Lee)。楽しい曲とちょっと気だるくアンニュイな、歌い方がなんともいえませんね。



その歌声と脚線美はマレーネ・ディートリヒにたとえられいたとか。
『嘆きの天使』(Fall in Love Again)



バートン・クレーンやディック・ミネとのデュエットなどもあります。当時、デュエットソングが日本でも流行だしたのだそうです。

バートン・クレーンと歌う『貴方とならば』(Side By Side)



ディック・ミネとのデュエット『恋は荷物と同じよ』(Love is the Same as Luggage)
古賀政男さんの作曲、日活映画『うら街の交響楽』(1935年)の主題歌。こちらの歌詞にも「三日月」が。



『いろあかり』(In A Shanty In Old Shanty Town)は、来日まもない1933年に『三日月娘』とともに、レコーディングされたデビュー盤



『思い出のハヴァナ』(Siboney)。とっても好きな感じ。



『恋人と呼ばせて』(Let Me Call You Sweetheart)。表情がとてもすてきです。



講談社より、『アリス―ブロードウェイを魅了した天才ダンサー 川畑文子物語』という本が10年ほど前に出版されていたのですね。その際、JAPAN TIMESにはほんの紹介も兼ねた川畑文子さんの記事が掲載されたようで、記事内で古い写真などもみることができます。http://www.bea.hi-ho.ne.jp/norikoshi/alice.htm

すてきな曲がありすぎるのですが、こちらで紹介しきれないので、再生リストをつくってみました。

YouTubeではちょっとみつからなかったのですが、この他にも、ユカレレ・ベビー(Ukelele Baby)やハワイの唄(Song of Hawaii)など、ハワイにちなんだ曲もうたっていたようですね。

情報収集に際していくつかのブログを参考とさせていただきました。
ブルブル ブルース (Blues):女性ボーカル(その22) 川畑文子、または二世達の歌
Royal Hawaii:ブロードウェイのアイドル・・・川畑文子

川畑文子さんは、23歳で結婚とほぼ同時に芸能活動を引退。日本での活動期間、長くはないものたくさんの曲も残し、戦前の日系二世歌手の代表ともいうべき方。2007年に91歳で他界されています。

日系二世歌手としては、ベティ稲田さん、ヘレン隅田さん、チェリー・ミヤノさん、ローズ・ミヤノさんなども活躍されていたようです。宿題として、調べたいと思ってます。

追:川畑文子さん、近日中にCD購入も検討♪

(投稿:日本 2010年3月23日、ハワイ 3月22日)


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