YouTube情報をきっかけに関心をもった昭和戦前ジャズ歌謡シーンでの日系二世歌手の活躍、チェリー・ミヤノさんとヘレン隅田さんは、川畑文子さんやベティ稲田さんにくらべて情報が少ないのですが、「花形流行歌手名鑑」に掲載されていた4名のうち2名と思われ、まずは簡単ながら軌跡をたどってみることができたかと思います。

[チェリー・ミヤノ]
まずは、チェリー・ミヤノさん。チェリーさんは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ、1935年(昭和10年)にテイチクから『おゝ櫻』でデビュー。

『おゝ櫻』(That's My Baby) 日本語詞:島田磬也、作曲:ウォルター・ドナルドソン(Walter Donaldson)、作詞:ガス・カーン (Gus Kahn)



あの川畑文子さんのお弟子さんだそうです(川畑文子さん自体、活動していたのは若いころですから、そんなに年齢はちがわないのでしょうけれど、そのことからも川畑文子さんのすごさ、そして人気がうかがい知ることができますね)。デビュー曲『おゝ櫻』では、間奏では川畑文子さんがタップでお祝いしたそうです。

『街からの手紙』1937年(Should I)



この曲のオリジナル『Should I』は、ミュージカル映画『Lord Byron of Broadway』のために、Nacio Herb Brownが作曲、Arthur Freedが作詞。日本ではベティ稲田さんも『愛の信号』という題名で歌っているみたいです。

わたしもハワイ日系二世の知り合いはいて、ボキャブラリーのスイッチなどはみられるものの日本語の発音はきわめて母語といってもいいような感じだったですが、チェリー・ミヤノさん、二世にしては片言度が高いような気が。特にナ行の音とかツがスのような...でも、そこがまたなんともかわいい♪お若かったようだし(まだ10代だったのかなぁ)、声もういういしい感じ。師弟関係にあったとはいえ、川畑文子さんとはまた全くちがう雰囲気をもってますね。大好きになってしまいました。CD「昭和ジャズ浪漫」にはチェリー・ミヤノさんの曲が5曲も入っているそうなので、買っちゃおうかなと思ってます。

[ヘレン隅田]
さて、もうひとりの日系二世歌手、ヘレン隅田さん、ソロはもちろんデュエット曲などものこしているのですが、本人画像も含めかなり情報が少なめなのです。

『可愛い眼』(That's My Baby) 日本語詞:佐伯孝夫、作曲:ウォルター・ドナルドソン(Walter Donaldson)、作詞:ガス・カーン (Gus Kahn)



動画画像にある「花形流行歌手名鑑」では、ヘレン隅田さんは17歳(掲載時)とのことで、最年少。チェリー・ミヤノさんは『おゝ櫻』として歌っている『That's My Baby』、『可愛い眼』というタイトルでうたっています。日本語詞は、佐伯孝夫さんという方で、詞の内容もちがいます。

ヘレン隅田さん、個性的ですね。当時、日系二世で趣味のひとつが乗馬というのは、優雅。『可愛い眼』をリリースしたのは16歳のときのはずですが、ずいぶんとおとなっぽい感じ。俳優学校での経験もあるのでしょうね。

デュエット曲ではハワイ日系二世の灰田勝彦さんとのものと、藤山一郎さんとのものをみつけることができました。

灰田勝彦&ヘレン隅田『素敵なロマンス』1937年。
(画像は、映画「續・不良少女」より楽曲とは直接関係なく灰田勝彦さんということで、こちらのものを使ったようですね)



『素敵なロマンス』のオリジナル『A Fine Romance』は、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース主演の映画「有頂天時代」(Swing Time)のもの。作曲はジェローム・カーン(Jerome Kern)。

藤山一郎&ヘレン隅田『おおドンナ・クララ』1934年(Oh Donna Clara)日本語詞:佐伯孝夫、作曲:イェルシ・ペテルスブルスキー(J.Petersburski)
(こちらも画像はヘレン隅田さんではなく映画「東京ラプソディ」から)



藤山一郎さんのデュエット『おおドンナ・クララ』は、1934年とういうことで、来日して間もないころ。だいぶ感じがちがいます。ミュージカル調の歌い方、演技をしながら、なりきりながら歌うというようなスタイルは、ヘレン隅田の個性として、この後ぐらいからつくりあげられていったものなのかもしれません。

[これから調査]
ロージー・ミヤノ『ピッコリーノ』(The Piccolino - Rosey Miyano)


ロージー・ミヤノさん、チェリーさんとおなじ「ミヤノ」なのですが、姉妹なのでしょうか。動画をアップされている方もご存知ないようです。オリジナル、『The Piccolino』は、フレッド・アステア & ジンジャー・ロジャース主演の映画『トップ・ハット(Top Hat)』の中の歌だそうです。

昭和戦前ジャズ歌謡再生リスト

(投稿:日本 2010年3月25日、ハワイ 3月24日)


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