本日、関東地方は雪もちらつく冷たい雨でしたが、先週金曜日、2月25日には春一番も吹き、春はすぐそこですね。春一番が沈丁花の香りを運んできました。
数日たって、遅れての記しではありますけれど、あの日はなんだか春一番が吹く気がしていたので(先週は、あたたかだったので、予想範疇だったかとは思いますけれど)、こちらにも。予想的中ということで、山口美央子さんの『恋は春感』。
『恋は春感』は、1983年春のコーセー化粧品CMソングでした。
山口美央子:恋は春感(1983年)
作詞・作曲:山口美央子、編曲:後藤次利
四季のある日本ならでは、やはり化粧品CMソングは、季節を感じさせますね。
化粧品CMソングといえば、資生堂VSカネボウというイメージがありますが、1980年代に入り、少しづつ、コーセー化粧品がちょっと変化球的なアプローチで入りこんできていた気がします。
この変化球的なアプローチは、CMソングだけではなく商品にも。
1983年コーセー化粧品、春のCM「春感口紅」:
モデル、マリアンヌ他
ブラックもありというこのカラー・バリエーションは、マリー・クワントあたりの影響も感じるロンドン・カラー。1980年代初頭ならでは。資生堂もパーキー・ジーンのPICOなどでは出てたと思いますけれど、メインのラインでこのカラーを打ち出してきていることに、コーセーのこの当時の方向性を感じます。
この曲をちょっと前に思い出してから、山口美央子さんのことなどが気になっていたので、この機会に。
『恋は春感』も収録の山口美央子さんのアルバム『月姫』は、当時、購入ではなく、レコード・レンタルで借りたものをテープにとり、よく聴いていました。彼女ならでは、そして、当時ならではの「和」な雰囲気が好きでした。
『恋は春感』は後藤次利さんアレンジのですが、その他は、全曲、土屋昌巳さんアレンジ。プロデュースは立川直樹さん(立川さんは、加藤和彦さんとのワークもあったりしますね。大空はるみさんのアルバム「VIVA」なども同年、加藤和彦さんと一緒に:WORKS~立川直樹全仕事~)
このアルバム『月姫』や山口美央子さんに関しては、とてもくわしくまとめてらっしゃる方がいらっしゃいました。
歌謡曲の砦:山口美央子 全アルバムレビュー
歌謡曲の砦:山口美央子『月姫』:まさしく、埋もれた名盤
わたしの印象も少し加えさせていただくと、シンセサイザーふんだんなテクノさもありながら、ところどころロックなギター・フレーズがあるところが、まさに土屋昌巳さんのサウンドを反映している感じですが、山口美央子さんのヴォイスはけだるい雰囲気をもちながらもどこかポップな声質でもあり。
アルバムのタイトルにある『月姫』が物語るような和の世界とともに、大小の宇宙感のような音の広がりももったアルバムでした。
このアルバム、CD化されていないのは、残念ですね。とても、完成度が高い作品だったと思うのです。
山口美央子:アルバム:月姫(再生リスト)
この後、ベスト・アルバムはリリースされているようですが、作品としてのアルバムは、この『月姫』が最後だったのですね。
ファーストの『夢飛行』も井上鑑さんとのワークで、よい作品でした(2枚目の『Nirvana』は当時も聴かなかったのです)。
1980年代後半以降は、作曲家としてのワークに。岡田有希子さん、今井美樹さん、高井麻巳子さん、CoCo、鈴木雅之さん、やしきたかじんさんなどへの楽曲提供されてるのですね。
[コーセー化粧品の変化球]
ポータブル・ロックの『春して、恋して、見つめて、キスして』も春うららで、化粧品CMソングとしては、ぴったりではあるのですけれど変化球的かもしれません。
「ミスティフェイス」な1986年のコーセー春のCMソング:
春して、恋して、見つめて、キスして:
作詞:鈴木さえ子、鈴木慶一、作曲:鈴木さえ子、編曲:鈴木さえ子
(投稿:日本 2011年2月28日、ハワイ 2011年2月27日)
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