昨日書いた「ハワイと外道」についてで触れたのですが、ホノルル市内のサウンド・オブ・ハワイ(サウンズ・オブ・ハワイ)、ハワイ地元のいろんなミュージシャンがレコーディングをしてきたスタジオでしたが、日本のミュージシャンの作品もこちらで録音されてるものが少なくありません。特にこのスタジオは、レコード会社とも関係がある訳ではなく、サイズも大きくはないのですが、名盤を生んできた場所なのです。
この場所は個人的にもかなり思い入れがあり。

という訳で、今夜はそんな名盤のひとつについて。鈴木茂さんの『LAGOON』、1976年のアルバムも、このサウンズ・オブ・ハワイで録音されたものなのですよね。レコーディングのメンバーは、もちろんティン・パン・アレイ(松任谷正隆さんは参加してません)。パーカッションでは浜口茂外也さん、ジョン山崎さん、岩沢幸矢さん(ブレッド&バター)なども参加。

まずは、鈴木茂さん作品の中で好きな曲のひとつでもある『LADY PINK PANTHER』。
鈴木 茂:Lady Pink Panther
作詞:松本隆、作曲・編曲:鈴木茂



このアルバム、曲もすばらしいのですが、ちょっと気になっていることとかがあったので、ちょっと、そんな気になりも調べてみました。
少し知っている情報をたよりに検索してみたところ、かなり詳しく細野さん中心にティン・パン系の方々のコメントをまとめてくれているサイトがあり、アルバム『LAGOON』のレコーディングに関する情報も。その他にも知りたかったことをいろいろ発見、感謝です!
hosono archaeology:chronology 1976 - 2

ホノルルのアパートにしばらく滞在してレコーディングをしたという理由は
「作ろうとしてた音が、割と南国を思わせるような温かい曲が多かったんですね」
「音楽の方向性が、レイド・バックしていると言うか、ゆったりと波の音を聴いているような気分だったので。スタジオもトロピカルと言うか、当時、トロピカルなものが流行っていて、それでハワイに行きました」
「都内でやると気持ちが途切れるわけじゃないけど、家からスタジオに通うよりも決まった時間、決まったメンバーでまとめて録ってしまう方法がいいと思った」

滞在先は「真言宗のハワイ寺の隣にあるアパート」。わたしとしては「わかる~、その場所!」と勝手に反応なのですが、アパート自体はわかりません(マクドナルドとかある辺りかな)。

この曲『走れラビット(Rabbit, Run)』も、そんな温かい、暖かい、トロピカルなサウンド。
鈴木茂:走れラビット(Rabbit, Run)




気になっていたのは、前にちょっとみかけたレコーディング中のエピソード。鈴木茂さんが、病気がちになって、車で病院にかつぎこまれたとか、ハワイにいながらほとんど海に行かず、といったものを読んだことがあったのですが、その他にもいろんなことがあったみたいですね。

「おばけアパートで」、「1階下がったつもりが2階下がっちゃったりね。階段で」
わたし反応:ハワイ、場所によって、そして人によって、たまにそういうことあります。
「レコーディング・メンバーであるミュージシャン達が、僕を除いて全員、ケガや熱で倒れてしまうという異変が起こった。」、その他もいろいろあったみたいですね。
わたし反応:わたしもなんか不思議な理由でハワイ州内の旅先で入院したことあります。急に来ました。日本もそういうことあるんでしょうけれど。なんだか、そういうことってあります。

曲作りは、すでにできていたそうですが、そんなハワイで書いた曲は、『8分音符の詩』と『ハワイアン』だそうです。

鈴木茂:8分音符の詩
作詞:松本隆、作曲・編曲:鈴木茂
「書き上げた~8分音符の詩をきもにあげる…手作りの楽器で集まった夜が懐かしいねギターの絃に錆びついてるの時がしゃがみこむ…もしきみに逢えなかったら今ごろ背広を着てたはずさ…針のとぶ、このレコードの透き間からきみがみえた♪」。弦の「絃」表記「いと」、松本隆さん的こだわりを感じる「詩」、鈴木茂さんのメロディーもアレンジもすばらしく。大好きな曲。



[思い出の食堂]
ホノルル市内、日系人文化が残る場所はところどころあるのですが、市内を西から東にぬけるキング・ストリートはそんな通りのひとつ。かなり長い通りなのですが、昔広がった商業地が数箇所あり、その周辺には二世的シーンも色濃く残ります、というか、もう少し前はもっと残ってました。レコーディングをされた1970年代はもっと。
サウンド・オブ・ハワイ(サウンズ・オブ・ハワイ)のすぐ近くには、わたしがハワイを訪れる度に(住む前)、知り合いの日系人のおじさんがよく連れて行ってくれた、「WISTERIA」というレストラン、食堂がありました。日系市民の憩いの場、年齢層高めでw シニア達がイキイキと集ってました(だいたい初日からいつもここ。エアポにートに迎えに来てくれた後ここで朝食というコース)。
そんな「WISTERIA」、けっこうこのスタジオでレコーディングするひとたちは利用していたのです。くつろげるのですよね。久保田麻琴さんなども訪れてたのではないでしょうか。
この大好きだった「WISTERIA」、数年前になくなってしまいました。この閉店は、相当悲しい思いでした。

A Hui Hou, Wisteria! Honolulu Hawaii History



ハワイ・レコーディングもの、つづきそうです…。

(投稿:日本 2010年11月3日、ハワイ 11月2日)


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