きょうは、長らく聴いていなかったレコード、ジューン・クリスティ&スタン・ケントン、1955年のアルバム『Duet』を聴いてみました。
このアルバム、レコードでもっているとうぐらいかなり前に買ったもの。高校生のときぐらいでしょうか。
買ったときのこと、はっきり覚えていないのですけれど、なんとなく、女性ジャズ・ボーカルものがほしくて、名前を聞いたことがあるということと、ジャケットがすてきだったから、と、そんな理由だった気がします。
ジャズでもインストゥルメンタルものは、けっこう大人っぽいものも聴いたりしはじめていたのですけれど、なぜか、ボーカルものは、さらに大人に感じ、その後しばらく聴かず。
そして、ジャケットをながめては、ひさしぶりに聴いてみようと、何年かおきに手にとってはみたのですけれど、そのときも聴きこむまでにはいたらず、だったのでした。
そして、きょう、また、何年かぶりで。
きっかけは。昨夜、『How High The Moon』で何かよいヴァージョンはないかなぁとさがしていて
「あぁぁ、これいいなぁ………」と思ったのが、ジューン・クリスティーのもので。
「あっ、そういえば、ジューン・クリスティ…」と思い、また、このアルバム『Duet』に針をおとしてみました。
(補足:このアルバムには、同曲収録されてません)。
ジューン・クリスティ、出会ってから、いったい何年たったのでしょう。
いいですね……。
いままで、なぜこのボイスのよさをわからなかったのだろう、とつくづく。
(やっと自分の人生や音楽経験、そのほかいろいろが作品に追いついたのでしょうか…このアルバム時、ジューンは、30歳ぐらい…)
このアルバム『Duet』は、『Something Cool』で一躍人気となったジューン・クリスティのアルバムの中では、実は、売り上げ的には、やや伸び悩んだという作品だそうです。
たしかに、ほかの作品聴いてみても、このアルバムの曲や仕上げは独特です。
でも、ピアノの伴奏のみという、そのスタイルが、またなんとも、いえなく、よいなぁと。
すばらしさをあらためて、なのでした。
収録曲も、また、おさえた中に感情の動きがみえかくれするような、ジューンのボイスにぴったりのものばかり。
さびしげな曲も、せつない曲も、さらっと歌い流す中に、微妙な心の動きをこめるような。
そして、ケントンのピアノ。
たぶん、ジューン・クリスティの声は、スタン・ケントンの描きたい世界を映し出すものだったのでしょうね。
どちらをもひきたてるような、師弟デュエット。
収録曲:
Side A:
1. Ev'ry Time We Say Goodbye
2. Lonely Woman
3. Just The Way I AM
4. You're Mine, You
Side B:
1. Angel Eyes
2. Come To The Party
3. Baby, Baby All The Time
4. We Kiss In A Shadow
5. How Long Has This Been Going On
ジャズは夜、というイメージもあり、歌のシーンも夜的ではありなのですけど、、ちょっとかなしくせつないストーリーは、おそい午後に、コーヒーを飲みながら、ゆっくりと、本を読むように、映画を観るように、イメージしながら、でも、さらりと、聴くのもよいですね。
女性ボーカルの午後ジャズ。
そんな意味では、このアルバム、まさに午後ジャズ向けなような。
所有は日本盤でライナーノーツもしっかりとしたものがあり、解説は、映画評論家であり、ジャズにもお詳しい、伊藤勝男さんによるもの。こちらも、あらためて、読みながら。なるほどなぁと、あらためて知る部分も多いと同時に、小説の一節などもおりこんだ、例えのすばらしさにもひきこまれます。
「銀の鈴のように…」、「スイングするブルース」(小説の一節よりの引用で)
そんな表現がぴったりな、澄んだといっても、ピュアという訳ではない、品性と知性をもつ、女性らしさややさしさ。
比較にあげられた、女性ジャズ・ボーカリストたち、クリス・コナー、アニタ・オデイ、アン・リチャーズ(同じく、スタン・ケントンがてがけた方たち)とのちがいも、なるほどと思ったり。
ジューン・クリスティ、このアルバム『Duet』以外も、ヒットとなったというアルバム『Something Cool』ほか、いろいろ聴いてみたいです。
ニューヨークのイーストコーストともまたちがう、ウェストコーストのクール・ジャズ。
このあたりのちがいなどにも、興味がでてきています。
(ジューン・クリスティに関して、経歴やひととなりなどは、書ききれなそうなので、Wikipedia:ジューン・クリスティ、June Christy)
アルバム『Duet』以外でのジューン・クリスティのいろいろ再生リスト:
(こちらは、夜もよし、また昼もよしといった感じで、自分の好きな曲を歌ったものなどを中心に集めてみました。まだまだ追加ありそうです)
(投稿:日本 2011年9月14日、ハワイ 9月13日)
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