映画「世界残酷物語(MONDO CANE)」のテーマとして知られる『モア(MORE)』、こどもの頃から親しみのある、大好きな映画音楽のひとつ。きょうは、この曲をきっかけとして、あらためて知ったことなども。
Ti guardero nel cuore(MORE):
『MORE(モア)』の思い出:
この曲との出会いは、父の車にあった、映画音楽集というような感じの8トラ・カセットの。多分、車を買った際のカーディーラーからおまけのようなもので。いま、そのものがないので、くわしい情報がわかりませんが、多分、当時ポピュラーだった海外の○○○・オーケストラとかの演奏のものだったかと(←伏せてる訳ではなく不明)。
美しいメロディでとても好きだったのですよね。
そして、さらにこの曲への思い入れが強まったのは、ピアノの先生にプレゼントでもらった、「映画ポピュラー音楽集」というような楽譜集の中で、わりと早い時期に自分で弾けるようになったということもあって(小学校2年生ぐらい?)。
グァルティエロ・ヤコペッティ監督の『世界残酷物語』は、なぜかこども達の間でも話題になるような映画で(ちょうど時期的に『続・世界残酷物語』が公開されたからでしょうか。多分、同級生のみんなもちゃんとみたことなかったとは思うのですよね、こどもですから)、映画のタイトルは知っていたのですが、この『MORE』が「世界残酷物語」のテーマだと知ったのは、もう少しあとのことだったと思います。
テーマ曲、『MORE』はいろいろなかたがカヴァーしていて、すてきなヴァージョンも多くいつもいろいろなヴァージョンを聴いてみたりしているのですが、
やっと大事なことに気がつきました。この「世界残酷物語」、エンディングの曲などは知っているのですが、サントラをきちんと聴いたことがありません。
ということで、先日、ようやく、「世界残酷物語」のサントラをちゃんと聴いてみることにしました。いいですね~。
音楽はすべて、ニーノ・オリヴィエロ(NINO OLIVIERO)、リズ・オルトラーニ(RIZ ORTOLANI)作、オーケストラ演奏・指揮はリズ・オルトラーニ。
タイトルは、映画のシーンにあわせたものになっています。
収録曲リストと『MORE』バリエーション以外で特に気に入った2曲を。
1. LIFE SAVERS GIRL ライフ・セーバー・ガール
2. L'ISOLA MALEDETTA 呪われた島
3. RAGAZZE E MARINAI 少女と水兵
4. HONG KONG CHA CHA CHA~COLAZIONE AL COLONY 香港チャ・チャ・チャ~コロニーで朝食を
5. L'ULTIMO VOLO 最後の旅「モア」
6. DOG MEAT ドッグ・ミート
7. CHINA TARANTELLA 中国人のお葬式
8. I PRESCATORI DI RAGJPUT GLI SQUALI ラジプトの漁師のサメ漁
9. TI GUARDERO'NEL CUORE ブルーのモデル「モア」(インストゥルメンタル)
10. FREE WAY フリー・ウェイ
11. CASA DELLA MORTE 死の家
12. IL PURGATORIO 苦悩
13. REPABHAN STRASSE レーパーバーン通り
14. LA FORCADA フォルカーダ
15. CARGO CULTO (Finale del film) カーゴ・カルト
そして、この「世界残酷物語」、実は、テレビで放送されたとき、水曜ロードショーだったのでしょうか、視てはいるのですが、ながら視聴だったので、いろんなシーンを全部覚えているという訳ではないのです。今度、みてみようと思ってます。
内容の解説は、シーンもとても多いのでこちらを。
ヤコペッティの世界残酷物語
「復活祭用に染色されるヒヨコ」の映像(かわいそうです):
なんだか、かわいそうですね。でも、昔、カラーひよこっていたような。
「オーストラリアの女ライフセーバー訓練!美女が人工呼吸」、「ビキニ環礁の環境破壊、原爆実験の影響で方向感覚を失ったウミガメ」(ウミガメ映像は演出が、とのこと):
まだみたことのない世界、海外への興味、憧れが高かった時代、音楽も映画も海外を舞台にしたものは、それ以前から多かったのですが、公開された1962年はまだテレビは普及段階ながら、だんだんとドキュメンタリー映画がさかんになってきたころです(実際には演出も多かったようですが)。
こちらの「世界残酷物語」は、ドキュメンタリー・ジャンルで、その映像の真偽はいろいろありますが大ヒットとなった作品ですね。
モンド映画、モンド・ミュージック、いわゆる「モンド」、「MONDO」というジャンルを確立させたというものでもあります。美しい旋律の曲に過激な映像と言うパターンはなども。
この関連は、自分としては大事な部分なのですが、ひじょうに大きなトピックなので本日はリンクで。
モンド映画とオリエンタリズム
モンド映画の音楽
代表的なモンド映画
「世界残酷物語」の原題は「MONDO CANE」、意味は「犬の世界」ですが(イタリア語でのスラングとしてだったりするようです)、邦題のネーミングもこの後、いろいろと使われていますよね。
もともとは、大島渚監督の『青春残酷物語』(1960年)を意識して配給会社が考案したものなのだそうです。
今回、初めて知ったこと:
CDでの宮元啓さんの解説で知りました。
この映画で有名になり、だれもがしっているポピュラーな映画音楽のひとつである『MORE(モア)』、映画が完成してからタイトルがつけられたそうで、オリジナルのサントラには、『MORE』という曲タイトル表記はないそうです。
アメリカで公開されるにあたり、音楽面からも展開しようということで、その際に曲名は後付けされたのかもしれないということ。
独立曲として最初にレコーディングされたのは、イギリスの歌手、ダニー・ウィリアムスのヴォーカル曲だそうです。
DANNY WILLIAMS:MORE (1964)
(投稿:日本 2011年1月24日、ハワイ 2011年1月23日)
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