先日のCM関係フランス・モードからの続きで、そういえば、と、アラン・ドロン出演のダーバンのCMがみたくなりました。
こどもの頃、物心ついたときから、放送されていた、このレナウンのダーバンCMすばらしいですよね。調べ始めたら、いろいろと発見もあり、そのすてきな世界にすっかり魅了されてしまいました。
まずは、すっかりお気に入りとなってしまったこちらから。
ダーバンCM:1971年
「大人のトータルファッション「ダーバン」、大人のダーバン、レナウンから発売」
レナウンからダーバンがブランドとして登場したばかりの頃の作品。
ダーバンのアラン・ドロン出演のシリーズCM、放送されていたのは、日曜9時からの淀川長治さんの解説でおなじみ「日曜洋画劇場」枠。
1971年夏から、なんと10年間も続いていたのですね。
「D'urban c'est l'elegance de l'homme moderne(ダーバン、セレレガンス・ドゥ・ロム・モデールヌ)」=「現代を支える男のエレガンス」
こどもの頃、何て言ってるのか一生懸命聞いては、雰囲気真似で口ずさんでいたものでした。アラン・ドロンの発音での「ダーバン」が、またなんともかっこいいのですよね。フレンチな響き。
ブランド名である「ダーバン」、表記では「D'URBAN」。「都市の」、「都会風の」というフランス語の意味になり、まさに「現代を支える男のエレガンス」にはぴったりなのですが、巡洋艦ダーバンにもちなんでいるようですね。もともと、「レナウン」という社名(1902年(明治35年)に大阪で「佐々木商会」として創業)の由来は、1923年(大正12年)から、その前の年にイギリスの皇太子エドワードが来日した際の御召艦レナウンにあるそうです。その「レナウン」に、供奉艦として同行していた巡洋艦が「ダーバン」だったという。
このような情報も含め、アラン・ドロンのダーバンCMには研究家といっていいほどの情報を掲載してくれているサイトがあり、数々の学びをいただきました。
AkiG's GATTEN Blog:Alain Delon D'URBAN特集~あのドロンの名作CMが蘇り一堂に‥
LE REGARD D'ALAIN DELON:CM FILMS
そして、動画をさがしていたらなんと、ダーバンCM、40本近くをまとめてくれているものがありました。豪華です!!
ALAIN DELON in D'URBAN/Part-1:
ダーバンというブランドがデビューするときの第1作から、初期のもの。年代としては1971年から。
「ときどき思うこと。わたしの歩んできた遠くはるかな道のり。いろいろなことが起こり、そして忘れた。さまざまな人と出会い、そして別れた。歩き続けること、わたしの人生。大人のもの。ダーバン」語りもいいです。映画です。
そう、このシリーズは素顔のアラン・ドロン、生活シーンを切り取りながらも、まるで映画のよう。
撮影に関しては、自身もチェックをするという形で行われていたそうです。そして、シリーズを続けていくうちに、スタッフへの信頼も強いものとなり撮影に関しても積極的な協力姿勢を示してくれるようになったそうです。当時の映画雑誌「スクリーン」と「ロードショー」には、CMが撮影レポートのようなものがあり、各編のエピソードなどが掲載されていたそうで、これ、かなり読んでみたいです(LE REGARD D'ALAIN DELON:DURBAN29)。
ALAIN DELON in D'URBAN/Part2:
愛馬を世話、友人宅訪問、ボクシングなど、日常の生活から少し離れた自分の時間をフォーカスした作品が多くなった時期なのでしょうか。そんな時間に見せる(見せそうな)表情がすばらしいですね。
ALAIN DELON in D'URBAN/Part3:
交際していた女優、ミレイユ・ダルクさん(←レナウン別ブランドCMにも出演していた)が登場する共演編もあり。この辺りになると確実に記憶にある作品もありです。特に後半のものなどは、はっきりと。
ALAIN DELON in D'URBAN/Part4:
ダーバンのカジュアルライン、ダーバン・カジュアル~INTERMEZZO(インターメッツォ)へと。
ハンティング・シーンがすてきです。
ドロンものではないですが、途中で入ってるボーナス映像、【ixi:z】(イクシーズ)もいいですね(当時、文房具とかもありましたよね、イクシーズ)。
こちらの最後にある映像、プール編はアラン・ドロン出演ダーバンのシリーズ最終編だそうです。こちらもはっきり覚えておりましたが、これがラストだったのですね。
ALAIN DELON in D'URBAN/Final:
ダーバンのフォーマルライン 、festone(フェストーネ)の作品集。冠婚葬祭以外でフォーマルな装いをする機会が多くない日本ですが(いまは、企業パーティーでは着たりすることもありますけどね。当時は)、パーティー・フォーマルのイメージはこのCMからという方も多いのではないでしょうか。タキシードにスカーフとか、実際はまりないですけど、イメージ、ですよね。
いくつかにわたり登場するドライブ・シーン、犬の散歩シーン、何気ないしぐさがすてきすぎます。
こうしてみると音楽の移り変わりも、時代としての変化やブランド・ラインのイメージはもちろん、アラン・ドロンとともに年月を重ねているようで。作曲は、小林亜星さんですが、あの方のインストゥルメンタル作品、いいのですよね。
わたしも、『小林亜星CMソング・アンソロジー』に収録されている『レナウン・ダーバン'72:朝の光篇』や『ダーバン'77:ジタンの香り』、『ダーバン'80:愛のワルツ』 などは所有しているのですが、1971年のものなどもいいなぁと思ってアルバム探してみたら、やっぱり存在してたのですね!
全10曲収録、アルバム『「LE PORTRAIT DE L'AMOUR~愛の肖像』。CDはないのかなぁと調べましたが、残念ながらアナログのみ。欲しいです~。
『ダーバン'74:華麗なる旅路』、『ダーバン'75:人生のバラード』など、曲名も詩的でいいですね。タイトル知りたいので、せめて、10曲の曲目リストがあれば、と。
もちろん、LE REGARD D'ALAIN DELONにはこのアルバムに関する掲載もあり、ダーバンのCM10周年記念として1980年に発売されたものだそうです(最終年度1981年の楽曲は収録なし)。
LE REGARD D'ALAIN DELON:『LE PORTRAIT DE L'AMOUR』
清貧おやじ:「愛の肖像」(ダーバンCM曲集)小林亜星
では、ライナーノーツらしき画像も拝見しましたが、これがまたいいですね。やっぱりアナログ盤は、ジャケット以外も意匠がいいなぁとつくづく。
もちろん、曲はすべてかっこいい、すてきなものとのこと。アルバムCD化、再販希望です。
最後になりましたが、レナウンのダーバンCMは、外国人セレブリティをイメージキャラクターに起用した日本で最初のCMかと。いまや、日本は、本国でもCMに出演しないようなスターがCMに登場する国として有名ですが(最近は一時期より減りましたけど)、このCM契約時は、かなり大胆な企画。交渉もさぞ大変だったかと思います。当時、レナウンとニシキ、三菱レイヨン、伊藤忠商事、レナウンルックとにより、ダーバンが誕生したばかり、社運をかけてたのでしょうね。スペインで「レッド・サン」という映画で共演中の三船敏郎氏を介して交渉したりしたそうです。
(こちらも、AkiG's GATTEN Blog:Alain Delon D'URBAN特集~あのドロンの名作CMが蘇り一堂に‥情報です)
このCMシリーズによってダーバンは確実に当初の理想どおりのブランディングを達成し、さらにアラン・ドロンは、このCMを通じてさらに幅広くファンを獲得することができたのかと思います。こどものわたしも、すてきだなぁ、まさに「ハンサム」なひとだと思っておりました。
アラン・ドロンの日本での人気、映画の上映、テレビでの映画放送などへと結びつきつつ、イメージもさらにアップしたとういうのは、このダーバンのCMの影響は大きいでしょうね。
やはり、日本のCMは音楽、映像、プロセス、「作品」と呼ぶにふさわしいもの多いですね。
(投稿:日本 2011年1月13日、ハワイ 2011年1月12日)
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