パイシス(Les PISCES)、最近知ったデュオですが(といっても活動は現在ではないです)、いいですね。
メンバーは、元カーナビーツ2代目ボーカルストのポール岡田(長岡和彦)さんと武蔵野音大出身のジャズ系アーティストの寺門ユキさん。アルファ・ミュージック、村­井邦彦と川添象郎のプロデュースのもと結成されたデュオ。所属事務所は田辺エージェンシーだったそうです。調べてみると、まさに好きな感じで、ふと惹かれたのも無理はない、という。
デビュー曲は『悲しみのティ・パーティ』という曲だそうですが、B面がI Cugini Di Campagnaのカヴァー、『ANIMA MIA アニマ ミア』。

パイシス:アニマ ミア(1975年)
オリジナル:I Cugini Di Campagn
編曲:深町純



寺門ユキさんとポール岡田さんのボイス、すてきですね。
この曲、深町純さんのアレンジということでたどりついたものなのですが、なんだか普通じゃない音をしてるなぁと思ったらギターは高中正義さん、ドラムスは原田祐臣さんなんですね。キーボードはもちろんアレンジを手
がけている深町純さん。
演奏が相当に豪華なの理由のひとつ、当初、この曲はA面に予定されていたのだとか。B面となった経緯はちょっとわからないのですが、パイシス、アルファならではのサウンドの豪華さはこの後も続くようで、1976年にリリースされたセカンドシングルもまたすばらしいものだったのですね。

パイシス:恋人と来ないで(1976年):
作詞・作曲:荒井由実(松任谷由実)、編曲:松任谷正隆



「シクスティーズの、ほこりにまみれたSP盤を聴くと、なぜか甘くせつない気分になります。ポールとポーラならぬ、ポールとユキ。パイシスの、初夏の風のようなハーモニーにひかれて、私はそんな歌を書いてみました。 -ユーミン-」。
『恋人とこないで』、はユーミンの『サーフ&スノー』(1980年)に収録され、岡田真澄さんとのデュエットでおなじみの曲ですが、もともとは、パイシスのために書かれたものだったのですね。ユーミンのコンセプトは当時のポップ・デュオ「ダニー&マリー・オズモンズ」だったとか。まったく知りませんでした。
ユーミンは、この年、1976年に松任谷正隆さんと結婚されたのですが、この曲を書いたときは、まだ荒井由実。パイシスのものには、作詞・作曲は荒井由実となってるようです。
そして、こちらには、コーラスとしてハイファイセット(Hi-Fi Set)も参加。

[いろいろつながってゆくのですね、いつもながら]
ポール岡田さん、というか、長岡和彦さんは、この後はシンガーとしての道ではなく、音楽プロデューサー、ディレクターとして活躍、化粧品キャンペーン音楽のプロデュースで、多数のヒット曲を生み出した方なのですね。1978年、広告代理店に入社。最初に手掛けた仕事はカネボウ化粧品の1978年夏のキャンペーン・ソングのプロデュース。当時、アルファ・レコードの新人だった、サーカスを起用し『Mr.サマータイム』が大ヒット。

CM音楽プロデュース作品(Wikipedia:ポール岡田):
 サーカス「Mr.サマータイム」
 甲斐バンド「ビューティフル・エネルギー」
 山下久美子「赤道小町ドキッ!」(ACC CM音楽部門秀作賞受賞)
 イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)「君に、胸キュン。」(ACC CM音楽部門秀作賞受賞)
 中原めいこ「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね」
 吉川晃司「憎まれそうなNEW FACE」
 中村あゆみ「ちょっとや そっとじゃ Can't Get Love」
 浅香唯「C-Girl」
 浜田麻里「Return to Myself 〜 しない、しないナツ」
 B'z「LADY NAVIGATION」
 ピチカート・ファイヴ「スゥイート・ソウル・レヴュー」
CMプランナーとしても、セルジオ・メンデス&ブラジル77(オーディコロン)、シルヴィ・ヴァルタン(コカ・コーラ・ライト)などの海外の音楽アーティスト出演CMも制作。

まさに、化粧品CM黄金時代のワーク、仕掛け人でらしたのですね。
パイシスから、ここまで広がると思っていなかったので、かなり感動なのですが、さらに、わたしとしては、という活動があったようです。

それは、川添象郎さんの初の大仕事であったともいえる日本初ロック・ミュージカル「ヘアー」!
出演していたのですね(「ヘアー」自体、日本では川添さん、と知る前からのキーなのですが)。
寺田稔さん、加橋かつみさん、深水龍作さん、小坂忠さん、堀内麻九さん、大野真澄さん、萩かづこ(安藤和津)さん、シー・ユー・チェンなどと共に参加、とあり。
(えっ、萩かづこさん=安藤和津さん、だったの?ということも、脱線ながら、そしていまさらながら気づきです)
ポール岡田さんは、ウーフ役を大野真澄とダブルキャストで演じてらしたんですね。

現在は、歌ってらっしゃらないのかと思ったら…
幻の「ロリエ」ポール岡田:
元カーナビーツの2代目ボーカリスト・ポール岡田が、GSキャンディーズ時代の幻の名曲「ロリエ」を40年振りに歌った2009­年のLIVE映像。



2009年には、ポール岡田名義でセミ・ドキュメンタリー小説「HAIR 1969 輝きの瞬間」も出版。こちら本もひじょうに興味あり。

パイシス、ポール岡田さん、ますます、気になります。

(投稿:日本 2010年12月13日、ハワイ 12月12日)


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