ここしばらく、リチャード・ロジャース作曲作品を気にしはじめ、オスカー・ハマースタイン二世とのワークということで、再度気になった名作ミュージカル作品およびその映画の数々をひと月ほど前に
Rodgers and Hammerstein Sound Of Music ほか
として、まとめてみたということもあり、先日、映画『サウンド・オブ・ミュージック』をDVD観賞いたしました。

こどもの頃から深く印象に残る思い出作品であるにもかかわらず、その音楽関連の作家を意識したのは最近で、『サウンド・オブ・ミュージック』は、すべての曲、1曲ごとにとりあげることができるぐらいすばらしいのですが、こんなおなじみの歌まで、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世の作品だったのかぁ、と気づいたのが『ドレミのうた』。あまりにも、こども歌としてなじんでいる作品なので、ずっとナーサリーライム (Nursery Rhymes)的なものだと思っていたのでした。

オリジナル・ヴァージョンは『サウンド・オブ・ミュージック(Sound Of Music)』(1965年)から。

The Sound of Music - Do Re Mi
ここからトラップ・ファミリーの兄弟姉妹たちが音楽に親しむことになるというシーンであり、あらためて、とてもだいじな歌ですよね。



今回、特に関心をもっているのは、日本版がどのようにできたのか、などだったりするので、そのあたりを中心に。『ドレミのうた』についてのいろいろをこちらにまとめてみることに。
(情報はWikipedia:ドレミのうたを参考にさせていただいたりしています)

おなじみの『ドレミのうた』はこちら。
「ド」はドーナツのド、「レ」はレモンのレ、「ミ」はみんなのミ、「ファ」はファイトのファ……

こちら、訳詞というか日本語詞を手がけたのは、ペギー葉山さんなのですよね。

この『ドレミのうた』はペギー葉山さんのシングルとして、1961年(昭和36年)に録音、リリース。
1962年(昭和37年)にはNHK「みんなのうた」で放送。1964年(昭和39年)には、NHK「歌のメリーゴーランド」のペギー葉山特集でも。
(参考:懐かしのテレビラジオ録音コレクション「うたのメリーゴーラウンド」資料集歌のメリーゴーランド:ペギー葉山特集書きおこし)。

ドレミのうた/東京放送児童合唱団 〔朝日ソノラマ版〕



ここで、映画『サウンド・オブ・ミュージック』は1965年公開作品なので、日本語ヴァージョンが一般的になったのは、この映画のまえ、ブロードウェイでミュージカルとして上演されていたころなのですね(ブロードウェイ初演、1959年)。

ペギー葉山さんが「1960年(昭和35年)にロサンゼルスで開催された日米修好100年祭に招待された直後にブロードウェイに立ち寄り、そこで見た『サウンド・オブ・ミュージック』に感銘を受け、劇場の売店で譜面を購入し日本に持ち帰った。」そして、日本語詞をつけたものがこの『ドレミのうた』だったのですね。

英語では
Doe, a deer, a female deer/ Ray, a drop of golden sun/ Me, a name I call myself/ Far, a long, long way to run……
ですが日本語のおなじみヴァージョン
「ド」はドーナツのド、「レ」はレモンのレ、「ミ」はみんなのミ、「ファ」はファイトのファ……
日本の言葉であうものをあてはめた、とても親しみやすい詞ですよね。
(ちなみに日本語での「シ」は音名としてはイタリア式で、英語では「ティ」)

音楽の教科書にも掲載されている、この『ドレミのうた』ですが、同時期にレコードとして発売されたものではいくつかのヴァージョンがあるのですね。ド」の比較で。
こちらに詳しい歌詞も
アッと!乱だム:3つの「ドレミの歌」

動画、音源などはさがせなかったのですが

宮城まり子さん版(1963年)岩谷時子さんによる日本語詞
ド:甘いドロップ

九重佑三子さん版(1965年)萩原芳子さんによる日本語詞
ド:どこまでも
このヴァージョン、どこでかはわからないのですが、こどものころに聴いた記憶があります。もちろん、どなたが歌ったヴァージョンかは知らなかったのですが、いつも歌っているものとちがう、ということで、印象にのこっているのです。
こちらはAmazonにmp3あり。
ドレミのうた(映画「サウンド・オブ・ミュージック」)


日本で、ミュージカルとして上演されたのは1965年(昭和40年)。この際は、さまざまな舞台音楽監督をされていた滝弘太郎氏による日本語詞が使われたのですね。これには、ストーリーの背景にあったものを、という意向などがあったようで。
1992年(平成4年)からの日本公演では、宮本亜門による新たな日本語詞が使われているのだそうです。

2007年からの劇団スイセイ・ミュージカルによる、『サウンド・オブ・ミュージック』では、ペギー葉山が修道院長役で出演され、はじめてペギーさんヴァージョンが歌われ、2010年の劇団四季上演でも同様に。

ジュリー・アンドリュースも、1977年の来日コンサートではペギー葉山さんヴァージョンを歌われたそうで、こちらも聴いてみたいです。

(投稿:日本 2012年1月16日、ハワイ 1月15日)

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