週末のDVD観賞、『ティファニーで朝食を(Breakfast At Tiffany's)』を。テーマである『Moon River』は、こちらのオリジナルや他のカヴァーもふくめいろいろと、ときおり、聴いているのですけれど、考えてみると、映画を観るのは、十数年ぶりで。
でも、ふしぎにそんな十数年ぶりという、感じはせずの、すてきな作品との慣れ親しんだ再会。
その「ひさしぶりでない」感は、ふだんはあわないのに会うとひさしぶりな感じのしない気のおけない仲よしとあったときのそれに近いような。
いつも、『Moon River』を聴いてるから、写真などでファッションやメーキャップふくめ目にしているから、というのもあるのですけれど、それだけでない何かなのですよね。
『ティファニーで朝食を』は、名作映画であり、映画を観たことがないひとでもそのタイトルは知っているという作品。
この予告編映像の
Audrey as Holly: "Won't You Join Me?"
Naration: "Yes, Join Audrey Hepburn as you've never seen it before…"
という紹介のとおり、オードリー・ヘップバーンの届ける世界。ストーリー以外にも、オードリーのイメージにはかかせないジヴァンシーのファッションやジュエラーとしてのティファニーのイメージ、演ずるホーリーのちょっと風変わりなライフスタイルもみどころなステキ作品でもあり。
監督:ブレイク・エドワーズ、脚本:ジョージ・アクセルロッド、原作:トルーマン・カポーティ、製作:マーティン・ジュロー、リチャード・シェファード
出演:オードリー・ヘップバーン、ジョージ・ペパード、パトリシア・ニール
音楽:ヘンリー・マンシーニ
配給:パラマウント映画
米公開:1961年10月5日、日本公開:1961年11月8日
そして、この映画のもうひとつの魅力は、ヘンリー・マンシーニによる音楽。デスネ。
こちらの作品の音楽については、いろいろ書きたいので、まずは『ムーン・リヴァー(Moon River)』、そしてほかは「つづき」にしようと思います。
Breakfast at Tiffany's Opening Scene:
ヘンリー・マンシーニ作曲、ジョニー・マーサー作詞、この映画のテーマである『ムーン・リヴァー(Moon River)』は、映画音楽をとびこえたスタンダードともなり、さまざまなカヴァーも(よいもの多いので、カヴァーもいつかとりあげたいです)。
オードリーがギターを弾きながら、自ら歌うこのシーンもとても印象的ですね。ふだんみせるホーリーの表情とちょっとちがった。
スウェットシャツにジーンズ。
この曲は、ヘンリー・マンシーニが、音域がせまく音とりがちょっと不安定なヘップバーンのために、1オクターブ内、白鍵の音のみでつくったというもの。
親しみやすさと美しさを同時にもったメロディーは、ほんとうにすばらしく。
それでも、パラマウント映画の社長(当時就任したばかりの方だそうですが…)は、歌のシーンはカットした方がよいと言ったというエピソードなども知られており
歌詞の訳のことなども、ブログなどで書かれている方も多いので、今回は私的解釈とのことなど。
この1シーンは、ホーリーを描くのにとてもだいじなものですよね。今回、つくづく思いました。
さきにも、ふれましたが、この映画、ひさしぶりにみたものでありながら、自分の中では定番的作品なのでストーリーにもなじんでいるのですが、今回はあらためて、兄フレッドの存在の大きさが気になりました。
フレッドは、ジョージ・ペパード演ずるポールのこともフレッドに似ているということで「フレッド」と呼んでいたり、フレッドの死をきいたときの傷心は、ホーリーの素顔を知るだいじな存在。
あらためて、『ムーンリヴァー』の歌詞にある"My huckleberry friend"のことを思うのです。
歌詞:
Reel Classics >Films > Movies > Breakfast at Tiffany's (1961)
"huckleberry friend"である"Moon River"こそが心を許せるホーリーのほんとうのおともだち。
あくまでも想像ではありますけれど、"Moon River"は幻のおともだちではありながらも、ホーリーのよき兄フレッドもまた、そんな心のおともだちを映すような存在でもあったのではないかと。
ほんとうの自分がわからなくなったときには、きっといつも話しかけていたのではないかなぁと。
(じっさいには側にいず、思い出からさらに心の中でつねにそばにいるがために美化というかさらにかかせぬひととなり、なくてはならない存在になっていたのではないかとも…)。
このシーンで着ているスウェットシャツも、兄フレッドのだったりするのでは?などと思ってみたりするのでした :)
最後には、"huckleberry friend"である"Moon River"は、きっと「フレッド」なポールとなり、幻のような心のおともだちではなくなったのでしょうけれど。
「ティファニーで朝食を」いろいろ:
映画『ティファニーで朝食を』(Breakfast at Tiffany's)の原作は、1958年出版トルーマン・カポーティの小説。いままであまり、この原作を意識していなかったのですが、ニューヨークを舞台に、自由奔放に生きる女性主人公という設定は同じながら、その内容はかなりことなるようですね。
村上春樹さんが翻訳をてがけているこちらの本での『ティファニーで朝食を
』も、読んでみたいです。
ほかいろいろメモφ(.. )
Wikipedia:ティファニーで朝食をを参考にしながら
映画作品の中で、ポールは、なんとなくである作家トルーマン・カポーティともすこしかぶっているような。
小説の『ティファニーで朝食を』は掲載予定であった女性誌『ハーパーズ・バザール』から掲載を拒否され、1958年に『エクスフィア』に発表されたものだったのですね。
映画化に際し、カポーティは、マリリン・モンローを主役にすえることを条件に了承。オファーを受けたモンローは、娼婦役を演じることが女優としてのキャリアにマイナスになると考え、出演を断ったのだとか(セックスシンボルと呼ばれることに強い抵抗を感じていたモンローは、これ以上、イメージが固定化することを嫌ったとされる)。
脚本も、急きょヘップバーンの魅力が生かされるように書き直された。
音楽同様、そのほかもつづきで…
(投稿:日本 2012年1月23日、ハワイ 1月22日)
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