先日、ちょっとUSEDレコードについてのことなども書きましたけれど、今回の滞在では、よく旅で訪れていたときのように、レコード、何枚か(15枚ぐらいかな)買いました。こちらには、レコードプレイヤーはまだあるのですけれど、アンプとかもうないし、いますぐ聴ける状態ではないのですけれど、出会ったレコードのこと、すこしづつ書いていこうと思います。

手にとったものは、すこしなじみがあるアーティストの企画ものやCDでは出ないかなというもの、おなじみだけどかわいい値段ならやっぱりレコードでもってるのよいよね、というものたち。

荷物のこともあるので、すこししぼって。そして、またの出会いをこれからにとっておきたいということもあり、一生懸命さがすというよりは、出会いで、という感じです。

まずは、何から、とけっこう考えてしまっていたのですけれど、ハワイのひとたちの心に刻まれているひとでありながら、意外と英語でも日本語でも語られていないという(ネットだけかな…)この方、マイアトル(マートル)・K・ヒロ(Myrtle K. Hilo)。親しみをこめて'Auntie Myrtle'とよくよばれていますけれど、この方もいろんな意味でとってもハワイらしい、そして、観光ハワイへの音楽シーンにはかかせない方だと思うのです。

ハワイでは、プロのミュージシャンであっても別の職業をもっていたりする方が多いのですけれど、'Auntie Myrtle'もそのひとり、「歌うタクシー運転手」。そのかけもちなところがハワイらしさの象徴でもあり、ひとびとに親しまれ、愛されたミュージシャン、エンターテナー。

その名も、な、『The Singing Cab Driver』のほか、5枚のアルバムをリリースしていますが、今回は、『Will You Love Me (When My Curburetor is Busted)?』をレインボー・ブックス&レコーズでみかけましたのですこし法則からはずれた感謝買い。お店のことは、ここに書いてます。
レインボー・ブックス&レコーズのこと:レインボー・ブックス&レコーズ。閉じられるページ (ハワイ紀行)


ハワイでは、KAONA(カオナ)といって、歌にいろんな隠れた意味をこめ、贈りあったりする習慣が、昔からありますけれど(ちょっと和歌の世界にも近いです)、そんな風習は、人々のあいだに、いまでもなんとなく、残っています。

このアルバムのタイトルともなっている曲『Will You Love Me (When My Curburetor is Busted)?』も1960年代のもので英語ではありつつも、そんなハワイのスピリットが、盛り込まれた歌。
歌詞
コミカルなせつなさをもつラブソング。

アルバムとしてはCDやmp3ないようですけど、Territorial Airwaves(まことにすばらしいオールドタイム曲専門のラジオ番組、現在も放送)のコンピレーションに収録せれてるみたいなので試聴もできます。
Will You Love Me When My Carburetor Is Busted?

ローカルの方の会話でも(ちょっとお年な)、この曲のタイトルがフレーズとしてでてくるぐらい。
ハワイの粋なひとは、会話の中に、気づかなきゃ気づかないさりげない音楽関連を織り込んでたりします。それが楽しかったり。

わたしが入手したアルバムとは別のものなのですが、アンティ・マイアトルが人気となったアルバム、その名も『The Singing Cab Driver』に収録の曲がありました。『マヌエラ・ボーイ』のガール版『マヌエラ・ガール』なんかもあって、このアルバムもよいのでしょうね。

Myrtle K. Hilo:Lover's Prayer



せっかくなので、Auntie Myrtleのこと、簡単に。

Myrtle K. Hilo:
シンガー、タクシードライバー、Auntie Myrtleにとってどちらが、はじめのキャリアかというと、シンガー、エンターテナーの方が先だったのですね。細かく前後を存じておりませんでした。

ハワイがアメリカ合衆国のテリトリーから州となった1950年、ダニー・カレイキニ(この方もかなりローカル的にかなり重要ですね、どこでも顔名刺な)と一緒に、カハラ・ヒルトン(現:ザ・カハラ・ビーチ&リゾート)でのステージにたったのが、エンターテナーとしてのデビュー。その後は、ブルー・ドルフィンやクラブ・ポリネシアなどにアンティ・ジェノア・ケアヴェとも。

1965年に、こどもたちが大きくなったということもあり、定職的な仕事として、タクシー会社に配車係として就職。数日後、偶然にも、夜間のドライバーが欠勤。この日から、タクシー運転手に:D
お客さんを歌で楽しませる名物運転手となり、ラジオDJとしてもいくつかのプログラムをかけもちするようになったのですね。かなり多忙ですね。

それからは、「歌うタクシー・ドライバー」としてレコーディングも、というような経緯だったそうです。
Myrtle K. Hilo、ハワイのひとびとの心に残るミュージシャンのおひとりですね。

(投稿:日本 2011年8月6日、ハワイ 8月5日)

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