いまごろ気づくなるほど。先日触れた『黒い傷あとのブルース』などもそうなのですけど、曲をなじみがあるのに、その背景とか知らないものって、きっと、たくさんあるのんだろうなぁと感じ、そんな曲を、です。『夜霧のしのび逢い』。

『夜霧のしのび逢い』は、昭和をふりかえるならいつか書かなくてはいけないと思っていた、あのクロード・チアリさんがギタリストとして知られることとなった曲であり、代表曲であることはなんとなく知っていたのですけれど。
(クロード・チアリさんに関してはさらにまた書きたいのでつづきで。きょうは、この1曲中心に。)

Claude Ciari:La Playa 夜霧のしのび逢い(1964年)

この曲『夜霧のしのび逢い』、原曲タイトルは『La playa』。先にも書いたようにクロード・チアリさんの世界的ヒット曲なのですが、とりわけ日本では多くの方のカヴァーもあり、大ヒットとなり。もともとは、ベルギーのバンド「ロス・マヤス」のリーダー、ジョー・ヴァン・ウェッターという方が作曲したものなのですね。「世界的ヒット」、「とりわけ日本で大ヒット」ということもあってか、背景のいろいろがいままでちゃんと把握できてなかったのだと思うのですが、じぶんなりに興味深い発見もあったりしたので、ここで整理とまとめです。

映画のサントラ?:
動画の画像にもあるように、同名のギリシャ映画『夜霧のしのび逢い』、ここではサウンドトラックとなっていますが、この曲はこの映画のためにつくられた曲という訳ではなく、日本のみ、この曲をサントラとして使用し公開されたのだとか。(Wikipedia:クロード・チアリを参考にしました)。でも、まだきちんとは、確認できてないのです。日本語での映画情報をみると、音楽には作曲者であるヴァン・ウェッターの名前もあるのですけど。ただ、多言語での情報をまださがせてないので、当時はよくそういうこともあったりするので。これも、なかなかに興味深いことのひとつ

フランスでは:
『夜霧のしのび逢い』の原題は『La Playa』というようにスペイン語なのですが(「浜辺」という意味だそうです)、フランスでは『La plage』として、詞つきヴァージョンをマリー・ラフォレ(Marie Laforet)歌っていたのですね。作詞は、ピエール・バルー。なるほど、なるほど(ここでピエール・バルーがでてくるとはで、なんだか、うれしいです)

Marie Laforet:La plage

この方が歌うとすっかりシャンソンですね。また、じぶんが感じていた従来のイメージとはちがって。この雰囲気もとてもよいですよね。

日本では:
岩谷時子さんが映画のイメージをもとに日本語詞を手がけたということで、タイトルも原題とはことなり、そして、フランス語詞のヴァージョンとも別のもの。フランス、日本ともに、どちらも、詞に関しては、訳ではなく、オリジナルといった感じといえますね。

グラシェラ・スサーナ:夜霧のしのび逢い グラシェラ・スサーナさんのヴァージョン、よいですね。
「雨はいつも恋をはこんでくる…♪」からのくだりなど、岩谷時子さんの歌詞もまたひじょうに悲哀のドラマチックさが、ですね。そして、観たことなにのですけど、映画のあらすじなどからも、イメージわきます。

越路吹雪:夜霧のしのび逢い

この、越路吹雪さんのヴァージョンもじつに。歌、アレンジともに、すこしかわいた軽さがまたグラシェラ・スサーナさんとはちがった哀愁表現ですね。

伊東ゆかり:夜霧のしのび逢い

この曲に関しても、まだ宿題的な部分はのこっているのですけど、これから、すこしづつ、こんな感じのたぐりよせもしていきたいなぁと思っています。

(投稿:日本 2012年5月10日、ハワイ 5月9日)

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