いままであまりこのあたりは深く聴いてこなかった分野なのですけれど、昨年あたりから、気になりだしはじめ、このところ、本格的に惹かれつつあるのが、歌う夜の音な感じのテナーサックスもの。先日からのつづきで、シル・オースチンとサム・テイラー。

もっと聴きこんでみたいなぁと思っているのが、きっかけともなった官能の音冴えるムード歌謡や和的ニヒルな世界(含む任侠・仁義)を描く演歌など。

もともと、外のひと、ガイジンさんがとらえる日本というのは、自分の中での永遠のこだわりテーマのひとつであるのですが、このところのいろいろのきっかけとなっているのは、『僕らのヒットパレード』(片岡義男・小西 康陽(著))での片岡義男さんのコメントに、さらにひろげてもらってるという感じです(こんなこと言って、わたしエラそう。。ですが、やっぱりわかってるなぁ、この方はという感つくづくです)。

片岡氏が小西氏との対談でふれているそれが、ちょうど、このシル・オースチンとサム・テイラーだったりするのですが、いままでただ気になってるという感じであったことへの背景的解釈がおもしろく、とても反応してしまうのです。

同書の272~273ページあたりに書いてあることから -お買い得シリーズ的企画に多く、営業売り上げの数字の欲しい年末に発売されがちであった(もちろん来日記念企画などもありますけれど、それよりさらに充実した曲数、ラインアップなのですよね)。

なるほど。。と。

昨日のちょっと触れたのですけれど、魅了されてしまうその訳は、それもこれも、やはり、シル・オースチンやサム・テイラーの奏でる音色が、日本人以上になぜか、こんな世界の音にふさわしいのではという気さえしてしまうほど、相性がよいということもあるような、なのです。
黒い歌謡曲に欠かせないサム・テイラー」な感じですね

Sil Austin:Sendo Kouta (1971年)
LP『男の港唄』収録『船頭小唄』
作詞:野口雨情 作曲:中山晋平

シル・オースチンのアルバム『男の港唄』は、そのタイトルどおり、港にちなんだ曲の流れ者的イメージなアルバムなのですね。表記もひらがなで「しる・おーすちん」という徹底ぶり。収録曲は以下のとおり 港がみえる丘/出船/よこはまたそがれ/船頭小唄/おもいでの長崎/ブンガワンソロ/港町ブルース/(この間の2曲わかりません)/島のブルース/長崎から船にのって/ダンチョネ節

『任侠の世界』というアルバムもあったようですね(このアルバムからの曲、レコ部でもかかったことがあったような気も)。

Sil Austin:Kyodai Jingi
LP『任侠の世界』収録『傷だらけの人生』と『兄弟仁義』
作詞:藤田まさと 作曲:吉田正
作詞:星野哲郎 作曲:北原じゅん

この企画にあたった方のアイデアのそもそもが、先の音の質や相性のよさなど含め、とても気になるところです。

そして、先にリンクさせていただいたりもしたサム・テイラーのムード歌謡もよいですね。こちらは、CDでも入手可能なのですね。どうも、当時、日本レコーディングものとしてもアメリカ盤でも発売されていたのだとか。

Sam Taylor:影を慕いて
作詞・作曲:古賀政男

Sam Taylor:誰よりも君を愛す(←埋め込みできないので動画へのリンクです)
  作詞:川内康範 作曲:吉田正

この興味、このあたりをきっかけにムード系再考となるのか、テナー・サックスの世界に入っていくのかは、どうなのでしょうか。われながら、まだわからずなのですけど。さらにいろんなつながりにすでに気づきはじめで、その両方な気がしています。

(投稿:日本 2012年5月9日、ハワイ 5月8日)

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