本日、2月24日は、ミシェル・ルグラン氏(Michel Legrand)のお誕生日なのですね。
1932年生まれ、今年で、80歳の「傘寿」。音楽をてがけた代表作品からしゃれたお祝いとしてともなるような :)

いまなおアクティブにご活動されるその姿は、わたしの人生ももしかしたら、まだまだ何十年もあるのかしらと、じぶんの人生観をもすこしかえてくれるようでさえあり。最近は、音楽面だけでなくの、お手本としてもさせていただきたいように思っているおひとり。

明日から、月に一度のTV AGE 講座「ヒットメーカー」シリーズも、短期集中として、5ヶ月にわたり「ミシェル・ルグランの軌跡」なのであります:)
週刊てりとりぃ:2012年2月24日

いままでも、ミシェル・ルグラン氏の音楽のことは、『シェルブールの雨傘』など、ふれさせていただいていますけれど、昨日も、ぼんやりと、「あぁ、思えば最初に出会ったのってこの曲かもしれない」と考えていたのが『The Windmills of Your Mind 風のささやき』、フランス語でのタイトルは『Les Moulins de mon Coeur』。

この曲は、1968年のスティーブ・マックイーン主演、フェイ・ダナウェイ出演、ノーマン・ジュイソン監督の映画『華麗なる賭け The Thomas Crown Affair』の主題歌であり、アカデミー主題歌賞も受賞している作品。
作曲は、ミシェル・ルグラン、詞は作詞家カップルであるアラン&マリリン・バーグマン。このふたりを紹介したのは、クィンシー・ジョーンズなのだそうですね。
(曲さきな作品だそうですが、この歌詞もまた、この作品のヒットの大きな要素となっていると思います)

Windmills of your Mind - Movie Version:



歌っているのは、ノエル・ハリソン(Noel Harrison)



わたしのこの曲との出会いは、ポピュラーソングとしての、というような感じでありました。正確にはおぼえていませんけれど、まだおさないころ、この曲は、たとえばテレビであったりいろいろと、耳にすることがあったポピュラーソングのひとつであったのですよね。
「ポップス」というのでもなく、「洋楽」ということばでもなく、「外国のポピュラーソング」という感じで。

日本でも、ザ・ピーナッツなどもカヴァーしていたりしますけれど、この曲のカヴァーは数知れず。
今回も、再生リストつくってみようかなぁとおもったのですけれど、膨大な数で。まとめるまえに、全部聴くこともできないようなぐらい。思っていたより、さらに多く、当時のシンガーたちのアルバム・レコーディングの際には、「時の歌」としてこの曲を入れるのが当然というような流れもあったのではないかと思うほどです。

映画も名作ですし、ここまでポピュラーになった背景には、やはり映画の製作がアメリカだったということもあり、米ミュージシャンたちのカヴァーが多かったことにもあるとは思いますけれど、それでも、です。

やはり、この曲、すごい曲なのだとあらためて思ったりするのですよね。
わたしは、こどものころ、美しくて、せつない曲を聴くと、涙したりするこどもだったのですけれど、昨日もぼんやり思っていたのは、「そういえば、この曲聴いて、こどものころに泣いたなぁ」ということだったのでした。

なぜこうも、多くのひとを魅了するのだろうと思うのですが、やっぱりミシェル・ルグランの曲の根本は、そのドラマチックさではないかと。軽い感じがほどよい作品もありますけれど、やはりこのひとの作品のよさは、楽しさ、うれしさのような喜びも、せつなさ、やるせなさ、悲しみなど、曲にふさわしい感情が音にこめられ、また曲の中で、その感情たちが、まるで生きているかのように、歌を奏でていることなのではないのかと。音やフレーズもなのですけど、その展開にすばらしさがあるのかなと、つねづね思ったりするのです。
この『The Windmills of Your Mind 風のささやき』もそんな意味で、とてもミシェル・ルグランらしい曲のひとつだと思うのですよね。

ご自身が演奏、歌ってらっしゃる映像もいろいろとあるのですけれど、これ、よいですね。NHKの音楽番組「音楽は恋人」でのもの。

Les Moulins de mon Coeur(1993年頃)


はじめのフレーズは、モーツァルトの 「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 (Sinfonia Concertante for Violin, Viola and Orchestra)」のような(第2楽章、アンダンテ ハ短調 )。



こうしていわゆるクラシックの名曲みたいなものを聴きながらも思うのが、ルグランって作曲家として、映画音楽、ポピュラー音楽、ジャズなどはもちろんですけれど、そのジャンルをもこえた世紀の大作曲家というもののひとりではないかと。もちろん時代それぞれの音は入れているのですけれど、曲の構成、構築のようなもの、音の展開とか、音楽学的にも分析したいような、そんなしげきというか、なんというか、みたいなものも与えてくれるのですよね。

そんなあたりもいろんな方がカヴァーしたいと思うこととはむえんではないですよね、きっと。
ヒット作品、好きな解釈の作品、こういうのもあるのかぁというものなどをこちらにすこし。
さきにも触れましたけど、当時の「時の歌」であったことつくづく。

Dorothy Ashby - The Windmills of your Mind(1969年)
ドロシー・アシュビー、すばらしく☆



Dizzy Gillespie - The Windmills Of Your Mind(1969年)
ディジー・ガレスピー、いいです



Dusty Springfield - The Windmills Of Your Mind(1969年)
こちらも当時ヒットチャートにあがっていたポピュラーな



The Lettermen - The Windmills Of Your Mind
コーラスしあげで。おなじみのザ・レターメンもうたってたのですね




The Sandpipers - The Windmills Of Your Mind
The Sandpipersのヴァージョンもソフトロック調だからというだけでなく、このすこし軽い感じがじんとしみます。



Val Doonican - The Windmills Of Your Mind
もちろん英国でもカヴァー。このヴァージョン、よいですね。ヴァル・ドゥーニカンはアイルランド出身で、BBCでは"The Val Doonican Show"という番組も。



Barbara Lewis - The Windmills of your Mind
これ好きです。バーバラ・ルイス、いろいろと聴いてみたいボーカリストのひとり。



Claude Ciari - The Windmills Of Your Mind
クロード・チアリ、横田年昭とエレヴァシオン
この方もいつかまとめたいと…



有名どころふくめてまだまだたくさんなのですけれど、あとは再生リストに(←こちらも未完で、これからふえるかと)

再生リスト


(投稿:日本 2012年2月24日、ハワイ 2月23日)

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