古谷充とザ・フレッシュメンのアルバム「ファンキー・ドライブ」で、伝説のクラブ、大阪「アロー」にちなんだ『Arrow After Dark アローの夜は更けて』を聴き、名店にちなんだ他の「… After Dark」曲のこともあらためて、と思いましたので、こちらに。

ニューヨークの名ジャズ・スポット、「Five Spot」と「Bohemia」。

Curtis Fuller Quintet:Five Spot After Dark (1959)



この曲『Five Spot After Dark』は、セロニアス・モンクやジョン・コルトレーンもプレイ、たくさんの画家や作家たちも、という名ジャズ・スポット「ファイブ・スポット」にちなみ、ベニー・ゴルソン(Benny Golson)によって作曲されたもの。

トロンボーン奏者であるカーティス・フラー(Curtis Fuller)、ベニー・ゴルソン(Benny Golson)によるテナー・サックス、ピアノにトミー・フラナガン(Tommy Flanagan)、ベースのジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)、ドラムスにアル・ヘアウッド(Al Harewood)というメンバーでの1959年録音以来、数々のミュージシャンによってカヴァーされている名曲。ジャズと聴いて思い浮かべる有名曲のひとつでもあるナンバーですね。

ちょっと調べてみたところ、日本にも「ファイブ・スポット」と名づけられた名店が(同じ名前の店は数軒あったりするのでしょうが)。自由が丘南風ビル(あぁ、ここのビルの名前わかります、たぶん、なのですが)に『5 SPOT』というジャズ・ライブ・スポットがあったのだそうですね。うーん、そうだったのかぁ、と。名店だったのですね、思い出の場所として書いてらっしゃる方も多いです。オーナーは、あの、いソノてるヲさんで。ライブ出演をされてたかたの名前としたは、北村英治さんや尾田悟さん、鈴木勲さんの名前などもみられ。いってみたかったです…。

読んだことなりのですけど、村上春樹さんの『アフターダーク』にも、ジャズのトロンボーン吹きである高橋という登場人物がいて、曲『Five Spot After Dark』がでてくるのだそうですね。小説のタイトルも、そこからだとか。

いろいろと、なのだなぁと。へぇー、と、つくづくで。あらためて、しみじみと聴いてみたりしたのでした。

Kenny Clarke Septet:Bohemia After Dark(1955)



こちらの『Bohemia After Dark』は、オスカー・ペティフォード(Oscar Pettiford)によって作られた、ニューヨークのジャズ・スポット「カフェ・ボヘミア」にちなんだ曲。カフェ・ボヘミアを拠点としていたぺティフォードは、バンドのエンディング・テーマとしてこの曲をつくり、演奏し、自身のアルバムでもこの曲を収録していますが、レコーディングは、このケニー・クラークのものが初めなのですね。

ドラムスのケニー・クラーク(Kenny Clarke)をリーダーとし、ピアノにホレス・シルヴァー(Horace Silver )、テナー・サックスのジェローム・リチャードソン(Jerome Richardson)、ベースのポール・チェンバース(Paul Chambers)、トランペットにドナルド・バード(Donald Byrd)、そして、ジュリアン・キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)、ナット・アダレイ(Nat Adderley)というメンバーで。アダレイのデビューともなり、その演奏の評価をとても高く受けたという作品なのですね。

それぞれのメンバーの持ち味、そして、なんともいえぬかっこよさ。ビバップですね。じわじわとくるノリっていうのは、こういうものだなぁと、聴けば聴くほど感じるような。

ピアニスト、ホレス・シルヴァーは、古谷充とザ・フレッシュメンで多くの曲のアレンジや作曲を手がけ、『Arrow After Dark』の作曲者でもあるピアニスト、大塚善章さんの好きなピアニストでもあるそうですね。

こちらは、先日も書きましたが、クラブ「ARROW」に敬意を表した曲で。
アローのこと:こちらがくわしいです
(8)大阪ジャズと高級クラブ「アロー」 若者の情熱が生んだ奇跡(産経新聞アーカイブ(1999年02月10日 大阪府下版に掲載))

古谷充とザ・フレッシュメン:Arrow After Dark アローの夜は更けて(1961)



ジャズは、やっぱりライブといいますが、セッションのよさやノリは、その場所、店からくるものもあるともいえますよね。雰囲気、お客さんなどなど。よいライブは、演奏もちろん、いろんな要素から。ライブが中心だった時代、ミュージシャンの方々の思いとか、考えますね。

(投稿:日本 2012年7月21日、ハワイ 7月20日)

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