前々からなんとなく気になってはいたのですけどね、というお題、やっぱりもっと知りたいよぉと再燃。早速資料として、邱淑婷著『香港・日本映画交流史―アジア映画ネットワークのツールを探る』を調達です。

きっかけは、先日、馬場正道さんDJでのTiki Radioでの『チャイニーズ7インチ』テーマからでした。

その中の一曲がこちら。

我是個鼓手(電影青春鼓王主題曲1967年)-凌雲(リン・ユン)

この曲、映画『青春鼓王(Qing chun gu wang ) King drummer 』での主題歌、挿入歌なのですが、そこでの気づき。『青春鼓王 』って、『嵐を呼ぶ男』の香港版ですね。この映画、かなり人気となったようで、いまでも「青春鼓王」というフレーズはたとえの表現としてもよく使われてるみたいで、「太鼓の達人」とかの動画にもタイトルなどにも使われてたり、です。

この曲も、ざっと調べたかぎりでも、3つのヴァージョンがみつかりました。広東語とかわからないので、漢字や英語で書いてある説明からのからのたぐりではありあますが、動画にあった解説コメントやそのほかの情報あつめてみました。

青山 -《青春鼓王》
1969年、アルバム『船』より

謝雷 - 青春鼓王
アルバム『青春鼓王/夕陽』収録だそうです。

映画はこちら。

青春鼓王 (1967)

映画の公開は、1967年11月16日。制作は香港なのですが、さきにも述べましたように、『嵐を呼ぶ男』からのリメイクで、井上梅次さんが監督。そして、この主題歌の作曲は、あの服部良一さんなのですね。作詞は、蕭篁。

これから読もうと思っている『香港・日本映画交流史―アジア映画ネットワークのツールを探る』は、井上梅次監督のことはもちろん、服部良一さんと香港映画という項目などもあり、アプローチとしては、かなりアカデミックですが、興味深いトピックばかり。

『嵐を呼ぶ男』のほか、日活作品では、『青春ア・ゴーゴー』リメイクの『青春阿哥哥』なども…

日本と香港の映画交流、井上梅次監督とショウブラザーズの関係から生まれた作品、また、東宝では、電懋との合作という路線で千葉泰樹監督での宝田明と尤敏の「香港」シリーズなどがあったり。県洋二振り付けでの電懋ミュージカルなども。香港映画においての日本の影響の大きさは思っていた以上なのですね。日本サイドでは同時期に、黄金期をすぎた経営のみなおしと、テレビの進出、なんとか海外へ活路をみいだそうという方針もあったよう。そんな中、井上監督以外にも招かれた日本人監督はほかにもいたわけですが、香港作品を撮るということでの心理、技術のちがい、土壌のちがいなどもいろいろあったようで。また、それ以前、さかのぼって戦前のことなども書かれているようなので、読みすすめるのが楽しみです。

(投稿:日本 2012年11月23日、ハワイ 11月22日)


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